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ロベルト・バガッティ

PEOPLEText: Simone Biffi

レストランでチキンカレーを一緒に食べ、ワインを飲みながら、イタリアのデザインシーンを語る。ミラノのいつもと変らぬ、晴れた日だった。

まずはじめに自己紹介をお願いします。

ロベルト・バガッティ。ロンドンで1971年に生まれ、1982年にイタリアへ移りました。僕は沢山のコミックやテレビ、映画とともに育ちました。例えば、「スワンプシング」や、レイモンド・ブリッグスの「いたずらボギーのファンガスくん」などは思い出深いです。グラフィックデザインの勉強は、13歳の時に始めました。未だにマンガや、奇妙でかっこいいSFも大好きです。もちろん実験的な音楽は言うまでもないです。特に、コンテンポラリークラシック、サイケデリック、日本のノイズなど。エレクトロニックミュージックやヒップホップも好きです。こういったものに、ここ数年影響を受けています。

よくネットサーフィンをして、ウェブデザインのコミュニティで何か面白いことが起こっていないかチェックしているそうですが、ウェブで見つけたものからインスピレーションを得ることは多いですか?他によくインスピレーションを得るものがあれば教えてください。

ウェブは様々なタイプの実験が繰り広げられる、興味深いメディアですが、僕はウェブだけではなく、色々なものからインスピレーションを得ます。ウェブはどちらかというと、インスピレーションを与えてくれるものではなく、運んでくれるものですね。僕はもっぱら、音楽です。そして、ときどき映画や、コミック、ゲーム、おもちゃからインスピレーションを得る事もあります。ホアヒオのアルバムやトレジャーの出すゲームからも影響を受けました。あまり、テレビの世界には踏み込まないようにしています。あまり作品を入り組んだものにしたくないので。ただ、ネットサーフィンをしていて、それまで知らなかったデザイナーを知ることはあります。例えば、トリス・コーシロー、ピート・ファウラー、エリック・ソウなどです。

自身の作品は、アートだと思いますか?それとも、何かクールなもの、トレンディなものと捉えますか?

僕は自分の作品をアートだとも、クールとかトレンディとも思ってないです。僕はデザイナーで、仕事の内容に応じてデザインをする。もし、仕事を個人的な志向で制作できるのであればそうしますが、僕は常にデザインする理由や目的を考えています。ただ、楽しむ事は大事だと考えています。もし楽しくなければ、大抵良いものはできません。僕のデザインするものが、クールとかトレンディという言葉で表現されるというのは、想像もできません。僕の作るものは、僕の住んでいる世界、見るもの、読むもの、聞くものを表現しているからです。クールでもトレンディでもない僕の日常。いろいろなメディアに興味のある、一人の男の日常です。物に対しても、流行っているから、という基準で見たり聞いたりするのではなく、僕が好きか嫌いかが基準です。

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