カール・フィッシャー & フランク・ハビット

PEOPLEText: Linlee Allen

この頃大西洋を挟んだドイツでは、映画のような切り口の写真を撮るフランク・ハビットが次第に評判を高めていた。今回のコレットの展覧会では、彼の、被写体のアクションやリアクションを巧妙に引き出す技術をも感じることのできる、一瞬の自然な表情を切り取ったポートレート集が展示される。


Frank Habicht, Leaving Tomorrow Behind, Matahari Boutique, London, 1967

10代の頃に写真に興味を持ち始めたハビットは、短いながらも実りある修行をロンドンで積み、その後パリへ移り住み、ライティングの技術を磨きながら、エスクァイアやガーディアン紙、サンデー・タイムズ紙などの仕事をフリーランスとして手掛け、駆け出しの写真家としてロマン・ポランスキー、ジュールス・ダッシン、ジャック・ドレーなどの映画監督とも仕事をしていた。


Frank Habicht, Mesmerized by just the sight, 1969

ヨーロッパでの彼の活躍がピークに達する頃、驚くことにハビットは家族と共にニュージーランドへと移り住んでしまう。現在も彼はそこでフリーの写真家として活動を続け、最近「In the Sixties」(1998)という作品集を出した。


Frank Habicht, Live it to the Hilt, Renee, Westminster Bridge, 1968

ついこの間、ドキュメンタリー作家のフランソワーズ・ラザードとパトリック・ジュコーがコレットで買い物をしているとき、偶然「Young London: Permissive Paradise」(1969)という、フランク・ハビットの作品集に目をつけた。彼らはニュージーランドにいる彼にコンタクトを取り、60年代最盛期のポップアイドルやモデル、スター、一般の人々を集めた写真集を出版しようと説得した。その写真集は「Karma Sixties」と名付けられ、今回コレットでの展覧会を実現した。

Carl Fischer & Frank Habicht Exhibition
会期:2004年10月4日(月)〜30日(土)
時間:11:00〜19:00(日曜日定休)
会場:colette
住所:213 rue st honore, 75001 Paris
https://www.colette.fr

Text: Linlee Allen
Translation: Naoko Fukushi
Photos: Courtesy of colette © the artists

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