ソナー 2004
HAPPENINGText: Peta Jenkin
ソナー・フェスティバルが1993年に始まったなんて信じられない。世界中の音楽やアート、カルチャーはその当時からずいぶん変わった。11回目の開催となる今年は、音楽、アート、そして様々な分野に渡る実験的プロジェクトがフィーチャーされた。
シフトの昨年のレポートではソナーを全体的にカバーしたが、今年はよりアートに焦点を絞ってレポートしようと思う。沢山の会場で行われるプログラムは大きく4つのカテゴリーに分けられており、それぞれのプログラムはデジタルアート、オーディオビジュアル、最新のテクノロジーを通して未知の旅へと案内してくれる。
ソナーの規模はとても大きく、全てのアーティストのパフォーマンスや展覧会を見るのは不可能だ。このレポートでは、ソナーのアート・プロフラムの概要を、その作品の良さというよりは、その時その場所で私が見る事のできたパフォーマンスや作品などを紹介していきたいと思う。
バルセロナのメイン通りである、にぎやかなランブラス通りをメイン会場から10分くらい歩いて向かったのは、インスタレーションやソフトウェアのプレゼンテーション、音と映像のパフォーマンスが行われるプログラム「ソナーラマ」が行われる場所。
「ソナーラマ」のメインホールで最初に行われたプログラムは、ニュージーランドで活動するデュオ、Delire + Pixによるソフトウェアのプレゼンテーション。そこで発表されたのは、「ACMEPARK」というプロジェクトで、半透明の3Dの球体が、空間でプレイステーションのコントローラーで操作されているかのように動き、音を生むもの。オープンソースコードを使って、楽器(彼らの表現を使えば、“オーガニック・ギター”)のようにリアルタイムで動くバーチャル物体だ。
Delire + Pix at the Sonorama Audiovisual Presentation
ユーザーはその物体を動かせば動かすほど慣れていき、その人オリジナルの音を出せるようになっていく様子がとても興味深かった。またアーティストが、このような商用デバイスとリンクできるような新しいソフトウェアプログラムを生み出しているというのも興味深い点の一つだ。彼らの他にも、このコントローラーを使用しているアーティストが多くいた。
The square in front of the Sonar By Day Venue
次に向かったのは、ソナーのメイン会場である、コンテンポラリー・アートセンター。「ソナー・バイ・デイ」というプログラムが行われる、屋内にも外にも会場がある広い場所だ。私が行った時にはすでに長い行列が、正面入口の前にできていた。
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