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「箱」展

HAPPENINGText: Fann ZJ

周りを見渡してみると、僕達の生活の中には四角い箱が溢れていることに気付く。街は碁盤の目のように区画されているし、スチールやガラスを巧みに使用した建築は、ミース・ファン・デル・ローエのお気に入りだった。商品も、パッケージ化することで、その価値が増したのも事実である。こう考えていくと、もうキリがない。まるで僕達自身も箱化してしまっているのかも!だからこそ今回は、箱の外側を考えてみようではないか。

「箱」展は、アーティストが箱という枠を越えてアイディアを膨らまし、箱とは何か、そして箱とはどうあるべきかという認識を再定義するプロジェクト。地元で活動するアート・グループ、プラスチック・キネティック・ウォームの企画の下、昨年の10月にアート・シンガポール・フェアで開催された展覧会に続く第2弾だ。今回の展覧会では50組以上の、地元と海外からのアーティストを紹介。今までとはひと味もふた味も違う雰囲気を持つ空間を制作した。

シア・ジョー・ヒャンが制作したのは「ブック」という作品。詩や想い、そして空想のイメージのコレクションが納められている箱に注目したヒャン。それらを一冊の本にはさめ、箱はこの実態のないものを守る働きを持つ、という作品だ。色鮮やかで、様々な生地で作られた布で覆われているこの箱。暖かさが感じられる作品だ。

「箱は四角い」という概念を、気持ちいい程に壊してくれたのが、中西道也の作品。「アート・ネイチャー・プール」と題されたこの作品は、金属で作られていながらも、立方体という形に曲線をつけたり、一部を取り除いたりすることで、箱という形を超越したものに作り上げられている。箱の中には、水を出したり溜めたりするポケットが。粉々になったガラスが使用されているのは、水の勢いに抵抗するため。それがまた、水が穏やかに佇むような静寂を演出しており、水の生態系や流れを表現している。

組み立てられる前の状態であっても、それはそれで箱のひとつ。そこに注目したのが、サウィーサク・スリトンディーの作品「バンコク・ボックス」だ。この組み立てられる前の箱には、様々な想いが書かれており、箱自体がテンプレートの働きをしている。立体の形になったときに、その想いが箱の中に隠される、というものだ。作品は壁に掛けられた状態で展示されており、箱の中に想いが冷凍保存されたよう。これと同様に、想いだけではなく、写真やアイディアが箱に封じ込められた作品もあった。

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