ミヤタケイコ

PEOPLEText: Sachiko Kurashina

かわいらしくて、でも不思議で、思わず「これは何だろう?」と手を伸ばしてみたくなるような立体や写真等の作品を制作しているアーティスト、ミヤタケイコ。彼女の原点は、誰もが一度はお気に入りを持ったことのある「ぬいぐるみ」。身近な存在ながらも、彼女が作り出す独特の世界では、その存在も特別感を増す感じがする。ソ-ソ-カフェでの展覧会を9月1日からスタートする彼女にお話を伺った。

まずはじめに自己紹介をお願いします。

ぬいぐるみデザイナーをする傍ら、94年より作家活動を始めて、いろいろな動物をサンプリングしたようなカワイくクールで奇妙なギリギリのラインの立体や写真の作品を発表し、独自の世界観を作ってきました。
2000年にロンドンで個展、また国内での美術館の企画展、個展など多数参加し、CDジャケットやCM、ショップとのコラボ等ジャンルを超えて活動中です。

ミヤタさんは、小さい時からぬいぐるみが大好きだったのでしょうか?

好きだったと思うけど、小さい時呼吸器官が弱かった為、フワフワの毛のぬいぐるみは全部ビニールをかけられて高い手の届かないところに置いてあった。自分が遊ぶのは毛のあまりないカチカチの固いぬいぐるみだけ。たまにイスに乗って高いところに置いてあるぬいぐるみをこっそりさわっていた記憶がある。

ミヤタさんにとってぬいぐるみは、どのような存在ですか?

おもしろい可能性のある柔らかい彫刻。生活の一部でしょうか。名前は個々につけたり、記号をつけたりもするけど感情移入とかはあまりしない。でもあのフワフワの触感とか色とか、形とかにグッと来るものもある。素材を選んでいるときが一番ワクワクする。

実際にミヤタさんの作品は、可愛いけれでも何処か不思議な感じがします。このようなキャラター達は、どこから生まれてくるのでしょうか?

かわいくしようと思って作っているわけでもないので、その微妙なズレとか、制作しているとき影響された雑多なものとかいろいろミックスされて作品ができるため、何か不思議な感じが出てしまうのかも。キャラクターはかなりコラージュ的作業。切り刻んだものをどう繋ぐかということ。かと思えばちょっと紙の隅っこにラクガキしたものがどんどん大きくなって3mの立体になったりもする。(笑)

海外でも展覧会を行いましたね。反応はいかがでしたか?

個展、客は楽しんでくれたようでよかった。日本より強烈にキャラクターとして見ているような気がする。自分ではあまりそういう意識してつくってないのだけど。そういえば、いろいろな資料等、ギャラリー側が紛失してしまい凹んでいたところ随分後にある本を見てモンスタリズムの作者のピート・ファウラーが「シャムシャム」という作品を購入していた事を知り驚きつつもうれしかった。他の作品の行方も気になるところです。購入者リストが無くて困っているのでロンドンで私の作品を購入された方連絡くださーい!

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