サーキット 2002

HAPPENINGText: Terevision Ruiz

2年前にバルセロナで「サーキット」が誕生した。これは、ポーリンハ・リオことパウラ・フェファバウムによるファッションショーで、彼女は、著明なショーでは未だそのデザインを発表することが現実となっていない、新しい才能の持ち主達の作品をプロモートするというアイディアを促進している人物である。

メルカファド」もバルセロナで行われているショーのひとつ。ファッションデザインスクールを卒業したばかりのデザイナー達の作品を発表をサポートしている、元デザイナーで扇動者であるアントニオ・アルバラドによるものである

ここで一体何が話題になったかというと、この9月に、この2つのショーがバルセロナにて、大御所であるガウディと合体し、それら全てが世界のファッション・ウィーク会期中に開催されるということである。スペインのデザインを海外に向けて発信するのが目的であるこのイベント。マドリッドのシベレスは、この企画には乗らなかったようである。

しかしながら、それぞれのショーはそれぞれの哲学を確固と保っている。シェアをしながらも、しばしそう言われるように独立性をゆるがすことはないのだ。共同ファッションショーが考慮される限りある、もっとも重要な革新は次の予定で開催される。

サーキットで、今回コンセプトとして注目しているのは「水生」。水、海、港、漁師…。パレードは市内各所で行われる予定。ラ・カシータ・デ・ウェンディ、ガブリエル・トGabriel Torresレス、ホス・ミーア、スザーナ・ヘーゲンハン、アンゲル・ヴィルダ等の地元デザイナーの他、新進気鋭のデザイナーや、今回、ポルトガルがゲストカントリーに選ばれたこともあり、ディーノ・アルヴェスとアレクサンドラ・ムーラといったポルトガル人デザイナーも参加。ランウェイだけではなく、サーキットではアート展覧会、ライブミュージック、DJパフォーマンス、そしてフラメンコダンサーであるラファエル・アマルゴのダンスも披露される予定。

メルカファドでは、デザインスクールを卒業したばかりのデザイナー達の作品が紹介される。若手デザイナーである彼らにとっては、ランウェイ参加はこれからの出発点となることだろう。9月6日(金)には、デザイナーの作品が紹介され、7日(土)には、彼らのデザインを手ごろな値段で購入することができる。「愛」がモットーとなっている今回のイベント。ベストをつくし、感覚、情熱、感情を注ぎ込むことがデザイナーには約束されている。ベストデザイナー賞、ベストスタイリスト賞、そしてベストモデル賞という3つの賞が用意されており、それぞれの獲得賞金は、3,000ユーロ(約35万円)。

CIRCUIT VI
会期:2002年9月3日(火)〜8日(日)
会場:開催地多数
TEL:+34 93 451 1144 / 4275
circuit@circuitonline.net
https://www.circuitonline.net

MERKAFAD
会期:2002年9月6日(金)〜7日(土)
会場未定
TEL:+34 93 443 7520
moda@modafad.org
https://www.modafad.org

Text: Terevision Ruiz
Translation: Sachiko Kurashina

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