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モダン・タイムス・イン・パリ 1925 ― 機械時代のアートとデザイン

HAPPENINGText: Alma Reyes

1919年に設立されたドイツのバウハウス校の校長であるヴァルター・グロピウスは、バウハウスは『機械がデザインの近代的媒体であることを信じ、それに慣れることを求める。』と語っている。

1920年代、フランスの首都パリをはじめとした欧米の都市では、第一次世界大戦からの復興によって工業化が驚異的なスピードで発展し、「機械時代」(マシン・エイジ)と呼ばれる華やかでダイナミックな時代を迎えた。デザイン哲学の大改革は、社会システムの再構築と秩序の回復を目指し、機能性、実用性、モダニズムを優先し、建築、家具、グラフィックデザイン、ファッション、製品、生活のあらゆる側面に適応した。


「モダン・タイムス・イン・パリ 1925 ― 機械時代のアートとデザイン」展示風景、ポーラ美術館 Photo: Ooki Jingu

箱根のポーラ美術館で1920年代から1930年代にかけて、パリを中心にヨーロッパやアメリカ、日本における機械と人間との関係をめぐる様相を紹介する展覧会「モダン・タイムス・イン・パリ 1925-機械時代のアートとデザイン」が、5月19日まで開催されている。本展は、この時代のアーティストによる機械への賛美や反発、そして機械と人間の関係を、AI(人工知能)が人類の知能を超える「シンギュラリティ」(技術的特異点)が到来しようとする現代と重ね合わせて問いかける。


《ブガッティタイプ52(ベイビー)》 1920年代後半〜1930年代前半、トヨタ博物館

1918年に第一次世界大戦が終結すると、機械文明は生活の利便性を高めるために大きく発展する。特に人間の力を大きく凌駕する自動車や航空機が普及し、機械時代の象徴となった。エットーレ・ブガッティが1920年代後半から1930年代前半にかけて子供たちのために製作した電気自動車《ブガッティタイプ52(ベイビー)》には、当時としては革新的で最先端の自動車工学が用いられている。同じ章には、航空機のエンジンやプロペラ、計器、蓄音機も展示されている。


フェルナン・レジェ《鏡を持つ女性》1920年、ポーラ美術館

1920年代を代表する装飾スタイル「アール・デコ」は、異国趣味や古典回帰、現代主義(モダニズム)など、多くの混在した価値観を生み出し、キュビスムに導かれた幾何学的形態や人工素材(プラスチック、ガラス、鉄筋コンクリート、鉄鋼など)の探求と並んで、新たな美の様式を打ち出した。フランスの画家フェルナン・レジェは、第一次世界大戦に見た大砲などの兵器の機能美や金属板の輝きに魅了され、人物とともに機械をモチーフとした作品を作るようになった。彼の《鏡を持つ女性》(1920年)は、女性の頭や体の部分に現れた機械化された形と原色の純粋さにおいて、強いキュビスムの特徴を発している。

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