プレローデド
他のデザインジャンルに比べて、ウェブデザインの明確な特徴は、何だと思いますか?
明白な特徴はどんな物でも、メディアの発達や仕事の変遷を見てゆくにつれ、道具として変化します。5年前ウェブサイトの特徴は、今日のそれとはたいへん異なるでしょう。イメージの色が2、3色に減ったり、ギフのアニメーションがラフになったり、幅広く洗練されたり、より展開がパワフルになったり、より良い色の深みを可能にするディスプレイツールなど、比較する物はあるでしょう。こうした経験が、ビューアー/ユーザーを惹き付け、彼らの望むインフォメーションを届けるのです。これは、ポータルサイトでもゲームサイトでも同じです。
私達は、この業界が単なるウェブデザインというよりは、インタラクティブデザインだという考え方が良いと思っています。現在の、伝統的なメディア、リニアメディア、ニューメディアの違いのようなものだと考えると、とても分かりやすいです。インタラクティブメディアは、時間がベースです。論理的なタイムラインの中でリアルタイムで元にも戻れる、先にもすすめる、横にそれる事もできる。これは、他の環境にはありません。イメージや、オーディオ、テクスト、ビデオでこうした基本を混ぜ合わせると、面白くなります。今のところ、可能ではありますが、これをやり遂げる事ができた人は誰もいないようです。10年後を思い描いてみて下さい。私達には、その時何を見ているかの想像を始めることしかできません。
一つ確実なのは、それぞれの手法の境界線が崩れ落ち、デジタルの分野で阿たらいている人達が、大変な挑戦を打ち立てるだろうということです。(マルチメディアで育った)次の世代の人達が何をプロデュースし、どこへ全てを押し進めて行くのか見るのは、面白いでしょうね。その頃には、私達はみんな仕事を辞めているでしょうね。
ウェブサイトを作る上で、最も大切な事はなんですか?
ちゃんと動くかどうかということです。良いウェブサイトのフォームと機能は、ユーザーの目には入らないものです。良い映画を見ている時は、ストーリーに熱中して、カメラワークが素晴しいとか、良い演技をしているとか考えないでしょう。ウェブの場合でも同じです。ユーザーにデザイン構成の要素が良いとか、プログラミングがスマートだとか考えさせる事なく、コンテントやメッセージを伝えるべきなのです。ユーザーをちょっとずつ引き入れ、また来たいとか、友達に教えたイとか思わせるのです。そして彼らが戻って来た時、以前に発見できなかったものを見つけるでしょう。新しいエリアとコンテンツの鍵をはずして。ユーザーを惹き付けて続けなくては。
ウェブデザインの道に進みたいと思っている人達には、どのようなアドバイスを贈りますか?
ウェブデザインをする時は、楽しいからしているのだ、ということです。もし、コマーシャルの仕事に進むとしても、経験したり学んだりする事のできる、自分自身のウェブスペースを創ることをお勧めします。みんながやっているからといって、彼らがどのようにしてやったのか興味がないなら、同じような事はしないで。でもいったん知ったら、それを逆にして、自分の身につけた事を使って仕事をして下さい。トレンドは、いつもやって来ては消えて行くのだから、それに流されてはダメ。自分を適切な場所に置くために鍛えるのに一番良い方法は、上質の作品に対する目を養いながらも、シンプルに、辛抱強くいる事です。君たちの時代が来ますよ…。
キャリアを発展させるための個人的なプランや、ウェブデザインカンパニーとしての最終的なゴールを教えて下さい。
フィル:「単なる」ウェブデザインエージェンシーにならない事です。私達がウェブだけにとどまらずに手に入れてきたスキルや、その先の解決法へという発展の見込み、様々なメディアを超えるクリエイティブな戦略というのが、私にとっての最終的なゴールです。
ロンドンでのライフスタイルはどうですか?インスピレーションとクリエイティビティに影響を与える、特別な物はありますか?
フィル:ロンドン全部が、僕にインスピレーションを与えてくれます。生活環境以外のもの。僕の行くところ。僕の会う人。僕の見る物。壁に書かれた物や、ステンシル、ポスター、グラフィティ。前に通った時にはなかったのに、次に行くとあるもの。そういう物が大好きです。だから、ウェブが手段として好きなのです。1分で物を置き、すぐに除く事ができるから。環境のはかなさが、ウェブを新鮮に保っているのです。
好きな引用や、プレローデドのスローガンは?
シンプルに。うまくいかないわけがない。ディテールの中にある。完成したけれど次のバグを見つけたんだ。
今後のプランは?
ブロードバンドのプロジェクト、ビデオをベースにした仕事をもっとプロデュースして、インターネットのコネクションスピードが速くなり、最新ハードウェアの容量が増えたことの利点を生かしたいです。
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Text: Izzy Lee
Translation: Naoko Ikeno