リード・スペース 東京
PLACEText: Yoshihiro Kanematsu
9月15日夜、青山の路地裏でものすごい人だかりができていた。DJブースには沖野修也やDJムロ、道端ではゴリゴリなストリートクルーから、ゴージャスでキュートな女性たち、クレヨンでお絵かきする子供たちまで楽しげな賑わい!そう、この日はニューヨークのストリートカルチャーを牽引するステープル・デザインのギャラリー/セレクトショップ、リード・スペースのオープニングパーティーがあったのだ。今回はオープニングに合わせて来日中のジェフ・ステープルをインタビュー、ニューヨークに続く東京進出についてあれこれ聞いてみた。
ニューヨークに続いて2店目となったトーキョーショップは、「ラーニング」をテーマに組み立てられた可愛げな雰囲気。内装はアップセッターズで、段差のあるダイナミックな構造は、更衣室やトイレが突然出現したりして、遊び心にあふれた豊かな空間をつくりだしている。本やTシャツも「ALSO KNOWN AS」などエクスクルーシブなアイテムが充実し、ブランドの詳しい解説も用意された、コミュニケーション主体の店構えが印象的だった。
日本のことを “セカンドホーム” と言うジェフは、ハニカムでも連載するなど日本のストリートシーンとのつながりは強い。幸運にもそんなジェフと一緒にランチを食べる機会に恵まれ、『十年前にタバコと豚はやめた』という話から『結婚ってどうよ?』みたいなところまで、本当に気さくに話してくれた。改めてジェフとマネージャーのヒロミさんに感謝!以下はお店についてのインタビューになります。
なぜ今、青山にオープンしたのですか?
例えば原宿だと友達が沢山お店をやっていて、十分にパワーがある。だから、そこじゃない場所を探していてココを選んだんだ。何だかロウアー・イースト・サイド(リード・スペースがあるニューヨークの地区)に似た雰囲気があったというのもあるね。ステープル・デザインが始まったときもそうだったけど、僕たちは偶然で動き出すことがとても多い。今回の東京進出も、気づいたら東京には沢山仲間がいたし、経済もよくなってきてるし、ちょうどいい物件がたまたま出てきたりして、いろんなタイミングがよかったんだろうね。
日本のクリエイティブシーンの中で、このスペースをどう位置づけていますか?
ニューヨークのお店もそうだけど、二つのタイプの人が出会うところにしたいんだ。デザイナーとそうじゃない人をね。ここはもちろんデザイナー同士のネットワークを広げたり、コラボレーションもできる場所でもあるけど、デザインというのがどういう仕事なのか、クリエイティビティとはどういうことなのか、デザイナーじゃない人がここにくれば分かるような雰囲気をつくりたいね。いわばギリシャとかローマにあった広場みたいなイメージかな。
日本のデザイナーのスゴイところ、物足りないところってありますか?
もちろん簡単には一般化できないけど、ディテールへのこだわりにはスゴいと思うね。クオリティを厳しくもとめるスタンスはいつも尊敬してる。逆に物足りないところというと、、あえていえば「ソウル」かな。感情とか怒りとか戦う姿勢とか、そういうところにソウルは宿るから、日本みたいにいい感じにピースなところでは、生まれにくいのかもしれないね。どっちがいいってことじゃないけど、ニューヨークではそういうのは当たり前だからさ(笑)
どんな感じでお客さんとコミュニケーションしたいですか?
reedという名前は僕にとって重要な恩師の名前から来ている。だから、このお店のコンセプトも「ラーニング」なんだ。椅子で空間を作ったり、廊下っぽい木の使い方をしたり、雰囲気づくりってのもあるけど、ただTシャツを並べるだけじゃなくブランドの説明が詳しく書いていたり、どんどん楽しく学んでいける場所にしたい。だから、まだ日本では見たことのないブランドやアートブックを沢山紹介していくよ!でもさっきも言ったようにいろんな人に来てほしいから、シンプルに「この空間、なんだかいいなあ」って感じてもらえたらうれしいな。ディテールの細やかなこだわりは、面白がってくれる人に楽しんでもらえたらいいね。
忙しいところありがとう!最後にメッセージをどうぞ!
とにかく「何かいつも起こっててワクワクする場所」をつくっていくので、よろしくです。もし何かアートワークとかをリード・スペースに置いて欲しいと思ったら、作品を持ってきてくれ。いつでもウェルカムだよ!
REED SPACE TOKYO
営業時間:11:00〜20:00
住所:東京都港区南青山6-4-6
TEL:03 6804-6973
https://www.thereedspace.com
Text: Yoshihiro Kanematsu
Photos: Yoshihiro Kanematsu