テセウス・チャン

PEOPLEText: Yurie Hatano

シンガポールを拠点に活動するデザイナー、テセウス・チャン。世界規模で発信されるグラフィクマガジン「WERK」(ヴェルク)の出版社「WORK」の創立者として活躍し、シンガポール2006年のプレジデンツ・デザイン・アワードにて、デザイナー・オブ・ザ・イヤーに選ばれるなどして注目を集めている。クラング、藤本やすし、テセウスの創造力を寄せ集めたWERKの最新14号と連動したカバーデザイン、インタビューをお楽しみください。

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バックグラウンドを含め、自己紹介をお願いします。

1961年生まれ。シンガポールにあるナンヤン芸術大学でグラフィックデザインを専攻していました。1986年に広告業に入り、ビジュアルやアートディレクションを手がけています。

どういう経緯でWORKを立ち上げましたか?

WORKを立ち上げたのは1997年です。1986〜1996年の間はアートディレクターをやっていて、1997年に私のやりたいことをできる準備ができたと思いました。

WORKではこれまで主にどういった活動をしてきましたか?

クライアントは、オン・ペダー(香港拠点の靴やアクセサリーのお店)や、タングス(シンガポールの人気デパート)そして、クラブ21(シンガポールを拠点にするセレクトショップ)のようなファッション関連がほとんどです。他には2006年シンガポールで初めて開催されたシンガポールビエンナーレがあります。

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WORKが発行しているグラフィックマガジンWERK(ヴェルク)について教えてください。

WERKマガジンは毎号、前号が終わるたびにスタートします。毎回の作業の工程で学んだことが新しい可能性、方向性そしてアイディアを示してきます。雑誌の最終形に先入観はありません。雑誌作りは、恐ろしいのと同時に刺激的です。従来の考え方、印刷と構成の方法をよく壊して、新しい解釈と意味を与えます。完全な欠点の表示は、我々がそのユニークさを表すために努力したことです。インスピレーションの材料として服、重工業や科学の構造方法なども見ます。雑誌の内容の芸術的な一因は引き合わされたものであったり、偶発的なものであったりすることが多いです。そうやって雑誌を見てみると、単純に私たちの感情や感覚、運命を基に独創的に雑誌を作ることができます。

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プレジデント・デザイン・アワード(2006、シンガポール)、デザイナー・オブ・ザ・イヤーの受賞おめでとうございます。受賞の主な理由は何だと思いますか?

ありがとうございます。ですが、何で受賞したのかはまったくわかりません。大変名誉ですし、これからも何があってもシンガポールのために創り続け、発明し続け、驚かせ続けるつもりです。

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