ミー・カンパニー
PEOPLEText: Mayumi Kaneko
今月のカバーデザインを制作してくれたのは、ロンドンを拠点に活動するデザインカンパニー、ミー・カンパニー。グラフィックデザイン、広告、キャラクターデザイン、キャラクターアニメーション、ブロードキャストビデオ、ブランド展開、インターネットまで、最新のデジタルテクノロジーを使い、強烈で独創的な映像を制作している。長年にわたり、ビョークのシングル/アルバムのビジュアル制作を手掛けていることでも知られている。
ミー・カンパニー設立に至った経緯を教えてください。
ミー・カンパニーは、15年前にポール・ホワイトによって設立され、現在はコマーシャル/非コマーシャルで幅広く活動する大規模なデザインスタジオへと発展しています。企業や個人、代理店など、幅広いクライアントを抱え、様々なメディアでコンサルティングや探究を続けています。
ミー・カンパニーの活動について教えてください。
最近手掛けている仕事は全て機密プロジェクトなので、詳しく教えることはできません。夏頃にはメンバー皆休暇を取りたいと思っているので、それまでは忙しい日々が続くことと思います。プロダクトデザイン、ウェブ制作、ファッション、広告、ビデオなど、いろいろなプロジェクトを手掛けています。今年の後半には日本で展覧会の開催も計画しているので、その準備に向けて忙しく作業しているところです。
プロモーションビデオからポスター、アルバムジャケットまで、ビョークへのビジュアル提供で広く知られていますが、ビョークとのコラボレーション関係が始まったきっかけは何ですか?
ポールが、ワン・リトル・インディアン・レコードの 創設者の一人であったことがきっかけです。ビョークとの関係は長い年月にわたって発展していったもので、信頼と芸術的なテレパシーに基づいています。ビョークとの関連性のみで私達を見てほしくはありません。彼女は素晴らしいクライアントですが、他にも楽しんでやっているプロジェクトが数多くあるのです。
プロジェクトにおける作品制作プロセスについて教えてください。
通常の制作プロセスというようなものはありません。プロジェクトにはそれぞれ違いがあり、それぞれが異なるアプローチを必要とします。コミュニケーションとコンセプトという2大基盤に基づいて制作し、全作品は概念的なアイディアを最もオリジナルで視覚的な方法で表現するというアイディアを基本としています。クライアントとの会話やアイディアセッションからインスピレーションを得て、彼等と密接に作業をするのを楽しんでいます。最初に基本となるアイディアが浮かんだら、次に私達の視覚的思考を手助けするためにラフスケッチを作ります。ビデオプロジェクトを制作する時は、ストーリーボードや絵コンテを作り、一時的なフォーマットでアイディアを説明します。こういった基本的プロセスを経て実際の作業に取りかかります。アイディアがテクニックと同じくらい重要で、これは例外なく全てのプロジェクトに関して言えることです。
グラフィックからCGアニメーション、ウェブまで幅広く活躍していますが、全体を通して一貫したコンセプト/テーマはありますか?
作品に貢献し、活気を与えるアイディアが数多くあります。順不同で挙げていくと、現代性、テクノロジー、キャラクター、ナレーティブ、ファッション、建築、生物学、変形、メタモルフォーゼ、イリュージョン、変換された意識の状態、家具、風景、宗教、哲学、文学。
ミー・カンパニーは、 様々な教育を受け、様々なバックグラウンドから集まったアーティストのインテリジェントな集まりです。チームとして作品制作に取り組んでいますが、作品をなぜ制作するのかについて正確な答えを出すのは難しいです。私達には、独特で唯一の存在になるという野望があります。
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