レスフェスト東京 2000
HAPPENINGText: Aya Funaki
「ネットシネマ」ではどの作品もフラッシュの機能をフル活用し、起承転結がしっかりと表現されているものを多くみることができた。特にこのニック・ニコラス、ジャスティン・ウィロー、クリス・リンドランドの3人による作品「Beebeard And The World Record Heroes」は、最高のバカバカしさ、そして最高にクール!
ストーリーは、全員がとてもずば抜けた変な特技を持つ、犯罪撲滅グループの話。舞台は21世紀。メディアが支配するカリフォルニアのサーカディア市を拠点とし、彼等は口達者なごろつきや新手の凶悪犯を相手にバトルを繰り広げるというもの。
同様に、バカバカしいが、アイディアが最高に良かった作品が、ジャネット・ギャロアの「Fishbar 10」。3分弱というショート作だが、ミュージカル仕立てで、飛行機の中で友達の恋の橋渡しをしようと歌いだす、ユーモアのある作品。
これらの作品がインターネット上だけしか楽しめないのはとても惜しい!と思う反面、自分だけの楽しみがまたひとつ増えた喜びも大いにある。
両プログラムとも第一線で活躍するクリエイターが多く参加しているということもあり、クオリティの高さを再認識することができた。また期間中を通して、フェスティバルには、業界関係者だけではなく一般客も大勢訪れ、立見も出るほどだった。
デザイナーズ・リパブリックやカール・ハイドを招いてのトークショーもかなりの盛り上がりをみせたが、近年、日本で世界的有名なアーティストのメッセージをライブで聞ける機会はなかなか少ないので、いい機会だったのではないだろうか。
最後に、第一線で活躍するクリエイター達(カール・ハイド、デザイナーズ・リパブリックのイアン・アンダーソン、エリック・ヘンリーなど)からの共通していたメッセージがある。『テクノロジーは、単なるのアイディアを具体的にする道具にしか過ぎない。最も大切なことは自分のビジョンを持つこと、見失わないこと、そしてやりたいことをやること。』
とても当たり前なことなのだが、ハイクオリティで更に低コスト化が想像以上にスピードアップし、制作が容易になった今、クリエイターからの警告として受け止めるべきなのかもしれない。
RESFEST TOKYO 2000
会期:2000年11月24日(金)〜26日(日)
会場:ラフォーレミュージアム原宿 ラフォーレ原宿6階
住所:東京都渋谷区神宮前1-11-6
TEL:03-3475-3127
https://www.resfest.com
Text: Aya Funaki