コンチネント展
HAPPENINGText: Julien Villaret
観客が参加することができる作品のもう一つの例としては、トミ・ヌーティッラの作品がある。観客は、アーティストの個人的なイメージ群をもとにコラージュを制作し、それらをウェブサイト上で展示するというものだ。
何人かのフィンランド/ベルギーのアーティストは、都市と都市空間を全く異なるものとして表現。ミア・マケラは、ブリュッセルとヘルシンキの2都市を繋ぐ地図上でサウンドトラックを辿っていくことによって、その2都市の異なるエリアでいろいろな人達と出会うというコンセプトの作品を発表。異次元で移動しているかのような感覚を与えた。また、ブリュッセル・セントルーカスの学位を持つ2人の学生は、彼等の住む都市を探検する以下2種類の方法を発表した。
バート・ファンデプットは、街の地図を通して、彼が体験した流動的なパノラマシーンを観客に体験させることによって、彼の住む街を紹介。フレデリック・フェイファーは、「BRONXELLES」でCD-ROMをデザインし、その中では、それぞれ地図、時間表示器、カーレース、街の風景を表す4つの繋がったスクリーンを通して街中を動き回ることができる。
ウェブサイトでは、インターネットを通した交流を表現。クリスティアン・シモリンは、彼のウェブサイトにアイディアやデッサン画を募集し、それをもとにブリュッセルのモニュメントの制作を試みている。また、エマニュエル・キャスティロンは、イメージの断片で構成されるコンピューターの集合的な記憶を体験することができる作品を発表した。
今回のコンチネント展では、その場で組織されたイベントをアーティストのパフォーマンスとして発表。制作過程を実際に目にすることができた。10月7日には、ブリュッセル、ヘルシンキの2都市から人を集め、異なる場所で同時に大規模なパーティーが開催された。
また、今回のような展覧会の興味深い点は、ニューメディアによって発生するクリエイティブな側面にのみ焦点を集めることができるという点だ。にもかかわらず、詩的感興の欠如や、作品を壁で仕切って展示する展覧会会場の冷ややかさが残念に思われる場合が時にある。結局は、サイバースペースは、シェアすることのできる場ではないのだろうか?
The Continent Exhibition
会期:2000年9月8日(金)〜10月12日(木)
会場:iMAL
住所:30 Quai des Charbonnages Koolmijnenkaai 30, 1080 Bruxelles
TEL:+32 (0)2 410 3093
https://www.continent-imaw.net
Text: Julien Villaret
