メコン ’99
HAPPENINGText: Jeremy Tai
今年のデジタルプロダクション会議 「メコン」では、 新たな才能を沢山見ることができ、ちょっと驚くようなものもいくつかあった。ドイツ、ケルンのライン川沿いのケルンメッセで開催され、彼らの持つ知識と情報をシェアするためにフィルムとオンライン産業を集結した。
メインのプレゼンテーションはデジタル・ドメインのキャリー・ヴィレガスとiXLのララ・スタインの2人。キャリー・ヴィレガスによる最初のプレゼンテーションには出席しなかったが、 EFXジャンキー達に向かって彼のスタジオの特殊効果を提示したことだろうと思う。代わりに僕はララ・スタインのプレゼンテーションに出席することにした。
彼女はかなりダークなテーマで口火を切った。「新しいコミュニケーションテクノロジーへのアクセスを持つ人達 VS テクノロジーを持たない人達」というテーマだ。それが徐々に彼女のメインテーマ、エレクトロニック・テレビジョンへと繋がっていった。テレビジョンとインターネットの結合の未来についてのiXLの見解についての例を いくつか挙げていて、誰もが実際そういう方向に向かうのかどうか疑問に思わざるを得なかった。もしくはそれは単に、末期のテレビジョンの視聴者の中で金を儲けようとしているメディア産業であって、インターネット常習者をピックアップするものなのだろうか?どっちにしても僕は、僕が見たものには確信を得ることが全くできなかった。
次のプレゼンテーションは、「第3世代の」ウェブサイトというテーマで行われ、 その中には僕達もラインナップされていた。まずプレゼンテーターによる発表があり、その後、インターネットのコミュニティーに関するディスカッションが行われた。
僕は まずフォーク・アンステーブル・メディアで、僕達が何を達成しようとしているのかについて簡単に述べ、それから僕達のプロジェクトをいくつか発表した。僕の次はID GRUPPEのマーカス・バイエルだった。SWATCHのサイトからCYCOSMOSまでのプロジェクトを発表し、その場にいた人は、彼らがデジタルスペクトラム末期のコマーシャル仕事をしているのを見ることができた。
他にはインダストリアル・ライト&マジックの クリス・キュプスのプレゼンテーションも見ることができた。ディープ・インパクトのメイキングシーンで観客の心を奪い、次世代の特殊効果を担うことを望んでいる観客全員から拍手喝采を浴びていた。
オンライン/オフライン・スクリーンデザインというタイトルのプレゼンテーションもチェックしてみた。ここでもピクセル・パーク・ベルリンのフローリアン・デングラーやメタ・デザインのエリック・シュピーカーマン、プレヴューのタニヤ・ディーツマンなどの多様なプレゼンテーター達が参加していた。
最も興味深かったのはタニヤ・ディーツマンのプレゼンテーション。彼女はベルリンでデザインスタジオを持っている他に、「アンハルト専門大学」で、教授としても活躍している。 彼女はiXLが扱ったのと同じ話題の、テレビジョンとインターネットの結合をテーマとした自分の生徒達の作品やその他の大手メディア会社の作品を発表した。
ユーザーが様々なインターフェイスやリモコンを通してどのようにテレビジョンのスクリーンを操作して行くのか、という同じ論点を扱っていたが、僕たちは最終的なユーザーの希望とニーズこそを最重要視すべきではないのだろうか、と疑問に感じた。
僕達は何処に向かって行くのだろうか?それは特殊効果とオンライン・コミュニケーション関係なく誰もが興味のある質問であるようだ。メコンはそれが何処に向かっているのかということに軽く触れたが、本当にどうなるのかは来年まで待たなければ分からない。
MECON ’99
会期:1999年6月15日(火)
会場:KölnMesse
住所:Messeplatz 1, 50679 Cologne
TEL:+49 (0)2 414 1369–0
https://www.mecon.de
Text: Jeremy Tai
Translation: Mayumi Kaneko