何故東京でオフィスを設立したのですか？

私は10年間東京に住んでいますが、そこでタケオと出会いました。私たちは現状に挑戦したいと思っていて、渋谷からグローバルな企業を立ち上げることができることを示せたと思います。

谷田部（タケオ）さんとの出会いについて教えてください。

タケオとは、仕事を一緒にするようになる以前の2012年からの知り合いです。私たちはどちらも電子音楽の背景を持っていて、私たちは共通の友人によって紹介されました。2015年に、私と岩波秀一郎で、私は日本の地下音楽産業の現状に挑戦するため、ミューテック（MUTEK）を日本に呼ぶことに取り組みました。私たちはメキシコとモントリオールで、ミューテックの創設者に会い、2016年から日本でミューテックを開始しました。ミューテックの日本での運営や、VRのプロジェクトなどを手がけていました。私とタケオは2017年までミューテック・ジャパンにいましたが、私たちのビジョン（テクノロジー×アート）により集中したくミューテック・ジャパンを去り、私とタケオは、マワリを設立したのです。

何故、開発チームの拠点がロシアのチュメニなのですか？

私はオンライン/テレワークのコラボレーションを通じてアレックスに会いました。彼とのプロジェクトが成功した後、私たちは似たような目的とビジョンを持っていたことに気づき、マワリに参加しないかと、彼を招待しました。彼はロシアのチュメニを拠点としているので、私たちの主要な研究開発所はそこに基づいているという訳です。

「White Deer_AR」

KDDIと共同開発してきた「AR x ART」（エーアールアート）について教えてください。

「AR x ART」は、KDDIが中心となり、先端技術により日本の文化芸術体験を拡張する「au Design project」の一環として、au 5Gと最新のAR技術で現代アートに新体験をもたらすことを目指して企画・開発されているiPhoneおよびiPad向けiOS対応アプリです。第1弾は、世界から注目を集める彫刻家・名和晃平氏とのコラボレーション。

本アプリでは、AR技術に加えて、最新のiPadやiPhoneシリーズに搭載された先進のライダー（LiDAR）スキャナ、さらには、インドア・マッピングといった先進技術を活用し、眼前のあらゆるものをリアルタイムに名和氏の代表作「PixCell」化させる「PixCell_AR」をはじめ、AR化されたコレクションを様々な現実空間に配置して一望できる「AR x ART COLLECTION」、神獣「White Deer」を探すアートの旅へと誘う「White Deer_AR」という3つのコンテンツで、かつてないARアート体験を提供します。

また、2021年6月8日から「GINZA SIX」にて上映を開始した彫刻家・名和晃平氏と振付家ダミアン・ジャレ氏共作のARコンテンツ「Metamorphosis Garden_AR – Kohei Nawa + Damien Jalet -」においてXRストリーミング技術の提供および開発を行いました。

「PixCell_AR」

「AR x ART」のアプリ制作にあたり難しかった点があれば教えてください。

世界的に活躍されている名和氏の世界観を再現・高品質で提供するために、データ処理が重くなるプログラムを最大限軽量化することと、高度な技術の組み合わせに苦労しました。「PixCell AR」では、反射するガラスの光の表現の実現に苦労しました。

「Metamorphosis Garden AR」

「Metamorphosis Garden AR」について、もう少し詳しく教えてもらえますか？

これは、銀座エリア最大の商業施設「GINZA SIX」の吹き抜け空間に浮かぶ名和晃平氏による、生命と物質とその境界にある曖昧なものが共存する世界を表現したインスタレーション「Metamorphosis Garden（変容の庭）」に、振付家ダミアン・ジャレ氏との共作によるコンテンポラリーダンスのパフォーマンスが融合した、これまでにないARコンテンツです。

ユーザーは、実在の彫刻作品にアプリ「AR x ART」をかざすと、空間認識技術 VPS（Visual Positioning System）によって彫刻作品とバーチャルのパフォーマンスが一体化した、リアルタイムに変化する新たな世界を体験することができます。

自社開発した世界初のデータ圧縮技術とコーデック技術を用い、20万点のポイント・クラウドによるデータファイルの容量を1/100まで削減。さらにKDDIが提供するau 5Gの高速通信を使うことで、スマホやタブレットなどのモバイルデバイスでのよりスムーズな再生を可能にしました。
※ポイント・クラウドとは、コンピューターで扱う点が集合した３次元の点群データ。