吉添裕人

PEOPLEText: Ayumi Yakura

デザインには世界を変える力がある。次世代のクリエイターをレクサスが育成・支援する国際デザインコンペティション「LEXUS DESIGN AWARD 2017」において、『光と影の間をデザインする』という発想で、世界63ヵ国、1,152作品の応募からグランプリに輝いた空間デザイナー・吉添裕人に、より良い未来を創造する可能性を認められた受賞作品や、デザインする上で最も大切にしている事についてインタビューを行った。

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© Hiroto Yoshizoe

まずはじめに、自己紹介をお願いします。

普段はレストランやホテル、商業施設など、商業空間に対してデザイナーとしてお手伝いさせて頂いています。武蔵野美術大学を卒業し、数年間はデザイナー/設計者としてインテリア設計会社に所属した後に、個人として活動するようになりました。

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“PIXEL” LEXUS DESIGN AWARD 2017 グランプリ受賞作品 吉添裕人 作

この度は「LEXUS DESIGN AWARD 2017」でのグランプリ受賞おめでとうございます。受賞作品の、光と影の存在を認識することができる構造体「PIXEL」(ピクセル)とはどのような作品ですか?

ありがとうございます。「PIXEL」は新たな建築資材の提案です。この作品は壁のような構造物ですが、その壁の向こう側にある光や影の要素をこちら側へ、ある規則を持ちながら変換し、アウトプットする機能を持っています。デジタル的なビジュアルに見えますが、実は光を構造体の中で「反射」させているだけで、とてもシンプルな仕組みです。また、シンプルな形状の連続なので、素材や大きさにある程度柔軟性があり、積み重ねていったり、大きな面を形成したりと、多種多様なシーンに使用できる可能性を持っています。現代の「障子」あるいは「レンガ」のような新しいスタンダードな素材をイメージしています。

着想は「障子」などに強くインスピレーションを受けていることはもちろんですが、「反射」という現象そのものに注目したのは、テレビの光が天井に反射し、色が混ざり合っていたという強い子供の頃の記憶がこの作品の原点でしょうか。

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メンターのスナーキテクチャーから直接指導

今回は世界63ヵ国から1,152作品の応募があり、12組のファイナリストから吉添さんを含む4組にプロトタイプ制作権が与えられました。世界的クリエイターと共にプロトタイプを作り上げる過程で、担当メンターの「スナーキテクチャー」からどのような協力を得られましたか?

客観的でいて、非常に多角的な意見を与えられました。大きなコンセプトの方針から、素材のディテール、プレゼンテーションに至るまで、様々なフェーズにおいて、その協力は大変ありがたいものでした。メンターの方々は常に私たちの方向性を予見し、ミラノの最終形に向けて、一緒に歩んで下さいました。

アワードの審査基準は『テーマに対する着眼点とその解釈の独自性』と『レクサスの考える、より良い未来を創造する革新的な“デザイン”に対する深い理解』ですが、完成したプロトタイプについて、審査員からどのような講評を受けましたか?

「建築的な可能性を秘めている」というコンセプトに対して、ありがたいことに共感を得られたのではと感じています。この作品は「素材」そのものの提案であり、この素材をどのように使用していくのかは、使用者によって多種多様であり、その広がっていく可能性そのものが、社会に対してプラスに働いていくというメッセージにも繋がったのかもしれません。

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LEXUS DESIGN AWARD 2017 作品展示 / Milan Design Week 2017

2017年の作品募集は「YET」(二律双生=相反するものを互いに妥協させるのではなく、調和させることで更なる高みを目指し、新しい価値や感動を生み出すレクサスのものづくりのDNAのひとつ)をテーマとして行われました。このテーマは、これまでに吉添さんが手がけたデザインにも通じるものですか?

私だけでなく、デザイナーにとっては非常に密接に関係している言葉のように感じています。ですが、それをテーマとして改めて据えられたとき、様々な発見があったように思います。相反している要素は互いに引き合う要素でもあり、その要素と要素の「間」に普段私たちが見ている世界とは少し違う、何かしらのヒントがあるように思います。

ミラノ・デザイン・ウィーク 2017」のレクサス会場でプロトタイプの展示とプレゼンテーションを行われましたが、他のブースで世界各地の様々なデザインをご覧になりましたか?

正直あまり時間がなく、きちんと見て回れていませんが、来年度のメンターでもある「フォルマファンタズマ」さんのブースは非常に注目度が高く、作品も非常に美しいものでした。

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