澁木智宏

PEOPLEText: Ayumi Yakura

ライフワークとしてウール100%の「ici」(イシ)シリーズを制作されていますね。一見すると本物の石のようにリアルですが、持ってみると軽く、固そうに見えて柔らかく、冷たそうに思えて暖かく、視覚と触覚のギャップが面白いです。

ウールを用いた作品制作の最初の作品であり、今も作り続けている作品です。私が選ぶモチーフ、素材はとても身近なものが多いです。石はその代表例かもしれません。自然物は物言わずして、多くを語りかけてきます。それは時として色々なことを伝えてくれます。石もその一つで、だからこそ石が好きな人が多くいるのではないでしょうか。

澁木智宏
「ici」2016年, 600 x 400 x 1,000 mm, ウール100%

この作品を作るきっかけは、石が好きというのはもちろんですが、身近なものに目を向けること、ちょっとした視点の変化で面白くなるというのを感じてもらえたらと思いで作り始めました。どんなにリアルに作っても、本物の石にはなれません。作れば作るだけ、刺せば刺すだけ、本当の石がより一層際立ち、また多くを語ってくれる気がします。だからこそ作り続けているのだ思います。

TOMOHIROSHIBUKI
「ici」2011年-, サイズ可変, ウール100%

ミュージアム」のオンラインストアでも一部の作品が販売されていますが、タイトルからそれぞれの石が持つ物語や、遠い過去の記憶、未来の可能性などが思い起こされます。

それぞれつけたストーリーは、作りながら湧いたイメージを一文にしたものです。あらゆる経験をしている中のいちストーリーを抜き取ったくらいのものだと思いますが、その一文があると色々と想像が膨らむことと思います。そして、普段転がっている石に対してもどんな経験をしてきたのだろうと想像を膨らましてみたらきっと面白いのではないでしょうか。

枯山水 澁木智宏 TOMOHIROSHIBUKI
「niwa」2013年, 1,500 x 8,000 x 5,000 mm, ウール100%

2017年1月は、クラークギャラリー+SHIFTにて個展を開催されるそうですね。

「ici」シリーズを中心にウールの石を中心に展示する予定です。その中のウールで石庭を作った作品「niwa」(ニワ)は、石砂共にウールで製作したもので、最大幅8メートルの大きな作品です。私の作るウールの石は、特定のモチーフがあるわけではなく私の中の概念的な石を表現しています。石庭文化は施主が表現する自然の形です。私の作る石も、まさに自身が表現する自然の形です。その延長線上で、空間全体で表現してみたいと思い制作した作品です。

これからの目標を教えてください。

アートワークであれデザインワークであれ、作りたいもの、展示してみたい場所など創作欲求はまだまだあります。それらを一つ一つ実現していきたいと思っています。

Text: Ayumi Yakura

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