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力石 咲

PEOPLEText: Aya Shomura

編み物との出会いとなったという2004年の作品「マングローブ」はどういった作品なのでしょうか?

インタラクティブな地球儀の作品です。毛糸編みの地球儀の五大大陸にそれぞれひとつずつ目がついていて、人が来ると瞬きをします。

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“Traveliving Project”, Hong Kong, 2014, Photo: Ventola Milk

「トラベリビング・プロジェクト」についても教えて下さい。飲茶の蒸籠の中や、機内のヘッドフォンなど、少し「さりげなく潜んでいる(馴染んでいる)」ような「間違い探し」のような遊び心もとても楽しいのですが、どのようなコンセプトでしょうか?ライフワークに近いですか?

ライフワークですね。コンセプトはその時々であったりなかったり。地域の特徴やそこでの生活からインスパイアされたモチーフで編むこともあれば、対象物の形状から思い付きで編むこともあります。例えば、今回のニセコ滞在でも街中をちょこちょこ編み包みましたが、行ってから数日は大自然のところだから何となく花のモチーフで編み包んでいました。が、ある日キタキツネを目撃して、そこからはキツネのモチーフで。街中にニットのキタキツネを出現させていました。

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Installation “Knit Invader”, Exhibition “COSMIC GIRLS”, (marunouchi) HOUSE, Variable size, Materials: Yarn, knitting machines, motors, etc, Photo: Gosuke Sugiyama / Gottingham

東京が活動拠点ですが、東京での日々の生活よりも旅に出た時の方が感覚が研ぎすまされる気がします。あとは旅先でのほうが「もう二度と訪れられないかも」と思うので「ここでやっておかなくちゃ!」という感覚に駆られます。

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“Traveling Knitting Machine Project”, London & Lake District & York District(UK), Machine body size: 31 × 80 × 24cm, Materials: Yarn, knitting machines, prastic, etc, 2014, Photo: Saki Chikaraishi

「旅するニットマシン・プロジェクト」のマシンは一見スーツケースにも見えますが、本当に引いて歩いて転がすだけで編み物が製造されるマシンなのですか?このプロジェクトに込めた想いも聞かせて下さい。

人自体を編み包むことは普段あまりないのですが、この作品は人の腕や首を編み包む作品です。きっかけは育児中の時間のないなか、移動するだけで作品が作りたかったから。転がすと編み物が作られるのですが、編み物の長さは移動した距離に比例します。

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“Traveling Knitting Machine Project”, London & Lake District & York District(UK), Machine body size: 31 × 80 × 24cm, Materials: Yarn, knitting machines, prastic, etc, 2014, Photo: Saki Chikaraishi

これを持ち歩いて、「なんですか?これ?!」と声をかけられたら、そこまで移動してできたニットをプレゼントするんです。腕とか首とか好きなところを包んでもらって。その人を別の土地に連れていく、土地と人を繋げていくというコンセプトです。

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