それ以外にも素晴らしいアート作品を取り扱うギャラリーをいくつか紹介する。

一つはスコーニー・アート・ギャラリー（オールド・ベイリー・ストリート店）で、上海のアーティストヤン・ヨンリャンの個展が催されていた。同氏は中国芸術と現代技術を用いて、冷たく硬い都市イメージに霧のかかったロマンティックな夜の美を描き出している。

“The Moonlight – Waxing Crescent Moon” Yang Yongliang. 2012. 90 x 90 cm, Giclee print on paper. Courtesy of Schoeni Art Gallery

もう一つはラム・ヤウシンの個展「シティスケープ」を展示していたグロット・ファイン・アート。配電盤と木等を用いて日常の小さなシーンを作り出した作品をじっと見るイベント参加者の様子が印象的だった。

“Fishing/垂釣” Lam Yau-sum, 2013. 17 x 8 x 18 cm, Enamel paints on circuit board, Copper Wire and Tin. Courtesy of GROTTO Fine Art

最後にチャンセリー・レーンに新しくできたパブアート・ギャラリー。こちらはビビアン・ホーによる「フレッシュ・トゥ・デス」を展示していた。彼女の絵の前で、人々は生から死への道のりを感じざるをえないように見えた。

“Fresh to Death #4” Vivian Ho, 2013. Oil on canvas, H100 × W150 cm. Courtesy of PubArt Gallery

もちろん年間を通して、通常の営業時間内にこれらのギャラリーに無料で訪れることはできる。ではなぜ人々はお金を払ってまでこのイベントに参加するのか。ある人は「チャリティイベントだから」というかもしれないし、「お酒を飲みながらアートを見てまわるなんて楽しそうじゃない」、「新しい出会いがあるかも」という人もいるかもしれない。

アートウォークの素晴らしい点は、アートにもチャリティにも興味が無い人にも、広く門戸を広げている点にあるだろう。参加すれば、アートに触れ、チャリティーに参加する機会を同時に与えられる。その夜は街と人がひとつのアートタウンとして混ざり合って素晴らしい雰囲気を漂わせていた。

Hong Kong ArtWalk 2013
日時：2013年4月18日 16:30〜23:30
会場：香港島の70ギャラリー
入場料：HK$450
TEL：+852 9758 0048
http://hongkongartwalk.com