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アルル国際写真フェスティバル 2013

HAPPENINGText: Valerie Douniaux

評価が今一つだった2012年に比べ、今年のアルル国際写真フェスティバルは専門家達から満場一致で高い評価を受けた。フェスティバルのオープニングウィークには専門家が集まり、大規模な講演会やスライドショー、オープニングイベントなどの様々な行事が行われ、写真の専門家と写真ファンを結び付けた一週間となった。

この写真展の特徴は、選ばれた写真の質の良さや陽気で親しみやすい雰囲気、そして長く寒い冬と春を超えて訪れる、輝くようなアルルの夏の気候などが挙げられる。これらの要素があいまって写真展は活気に満ち、本展は世界各地で開かれる写真展の中で再び中心的な役割を担うようになった。

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Gilbert Garcin, When the Wind Will Come, 2007. Courtesy of Les filles du calvaire gallery, Paris.

9月22日まで開催されている本フェスティバルでは、古風な街の路上や歴史的な建物の中など様々な場所で写真を見ることができ、古代と近代、現代の芸術が見事に融合する空間も楽しむことができる。今年のテーマは「アルル・イン・ブラック」(黒のアルル)つまり白黒写真だ。現代の社会はイメージや色彩で溢れている。その中で白黒写真の時代における写真表現の開拓者達が残していった遺産を展示することで、過去から現在にいたるまでの写真史の連続性を示そうとしている。

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Guy Bourdin – 1950-1955, Paris post war. Courtesy of the Guy Bourdin Estate, 2013.

ジャック・アンリー・ラルティーグやゴードン・パークス、そして今回がフランスにおける初の回顧展となるセルジオ・ロランなどの歴史に残る偉大な写真家は、森山大道などの白黒写真を中心とする芸術家だけではなく、驚くことにカラー写真のイメージの強いギイ・ブルタンにも影響を与えている。白と黒の絶妙な味わいのある彼らの写真に加え、より若い世代の作品も楽しむことができる。とは言え、カラー写真の存在も忘れてはならない。とりわけ、この写真展で最も感動的な瞬間の一つとなったとなったヴォルフガング・ティルマンスの展覧会は見逃せない。

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