アヤミ・ニシムラ

PEOPLEText: Wakana Kawahito

英国を代表する写真家で、デイズド&コンフューズドの創設者でもあるランキン(Rankin)と、メイクアップアーティスト、アヤミ・ニシムラ(Ayami Nishimura)によるコラボレーション作品が、東京・渋谷のDIESEL ART GALLERYにて展示中だ。2009年に発売された、メイクアップアーティスト、アレックス・ボックスとランキンによるビジュアル本に続く「Ayami Nishimura by Rankin」の発表を記念とした今回の展覧会。100枚以上の中から選ばれた20枚の写真に加えて、2人の作品をまとめた映像が上映される。本展に合わせてロンドンから来日したアヤミ・ニシムラさんにお話を伺った。

アヤミ・ニシムラ
© Ayami Nishimura

今回の展覧会のコンセプトは「サイバー」(Cyber)と伺いましたが、なぜサイバーをテーマにしたのですか?

2年半ぐらい前に、ランキンがアレックス・ボックスとの写真集を出したとき、メイクアップアーティストとのコラボレーションを気に入って、その本をシリーズ化したいと思ったそうなんです。それで、第2弾を一緒にやらないかって言われたので、すぐにやろうということになりました。その時に「サイバー」というテーマが思い浮かびました。元々、サイバーファッション、いわゆるフェティッシュとか、クラブ系というかそういうシャープなファッションが好きで。自分自身が着るわけでは無いのですが、サイバーをテーマにして作品をつくってみたいなと思ったところから、始まりました。

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Photo: Ken Kato

この写真集自体は、トータルで2年半ぐらいかけて作っています。というのも、なかなか撮影の日にちが取れなくて。とにかくランキンが忙しい人なので、撮影にかけられる時間が限られていましたし、一緒にやった他のアーティストも、どうしてもこの人とじゃないと、というのもあったりして結局2年ぐらい掛かってしまいました。その後、レタッチ、レイアウト、プリントなどで半年ぐらいですね。時間はかかりましたが、納得のいく仕上がりになりました。

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Photo: Ken Kato

アヤミさんにとって、具体的にサイバーとはどういうことですか? 作品を拝見すると、アフリカなど民族的なものからシックなものまで、取り入れているようですが…。

テーマはサイバーですが、全く違うものとサイバーが出会うとどうなるのか、ということをやってみたかったのです。アフリカっぽい作品も民族調というよりも、アフリカンアートやオーストラリアのアボリジニのアートをイメージソースとしています。木のマスクや写真など、好きで集めているものの中にドット柄のようなものがあって、モデルの顔にドットを描いたり、カラフルなステッカーをつけてみたらどうなるのかなと思ったのです。そんな方向性で何か面白い事ができないか、どうやったらきれいに見せられるのか、を考えました。不細工になっては意味が無い。キレイに見えるのは絶対ですからね。

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