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TOKYO FRONTLINE 2012

HAPPENINGText: Yu Miyakoshi

キュビズムのような造形が目をひく名和晃平の「Polygon-Double Yana(study)」。この作品はオンラインストア「Living with ARTS」から出品されているが、ウェブで販売されているのはこの1/3モデルではなく、名和氏が申し込み者(又はその方から指名を受けた人)を彫像にするというオーダーメイド作品。

全身を3Dスキャンし、そのデータからアルミの彫像を削り出していくというから、まるでアーティストにクローン制作をオーダーするような、不思議なコミッションワークだ。また、オーダーをした方はアルミ素材の作品「Mirror」のほかに、大小のガラスビーズで表面を覆う「PixCell」を選ぶこともできる。

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「Polygon-Double Yana (study)」名和晃平, Courtesy of SCAI THE BATHHOUSE Photo: Sho Ogasahara (SANDWICH)

また、「SELECTED ARTISTS SHOWCASE: emotional material」に展示されていた、小山泰介と名和氏によるコラボレーション作品「SANDWICHTextures」シリーズのプリントも、群を抜いた存在感を放っていた。

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左2点「SANDWICH Textures」シリーズ 名和晃平 x 小山泰介, 右「Melting Rainbows」シリーズ 小山泰介 Photo: Yu Miyakoshi

京都に、名和氏が主宰するスタジオ「SANDWICH」がある。サンドイッチ工場をリノベーションしたスタジオにアーティストやデザイナー、建築家など様々なジャンルのクリエイターが集い、活発なコラボレーションを展開する創作のためのプラットフォームだ。「SANDWICH by KOHEI NAWA」ブースには、神話的な文様で絵画や壁紙を描く松本尚、子供のような発想で身の回りのものを作品に変身させてしまう山下拓也、キューピーを用いて人間が愛を維持しようとする姿を表現した「あいはらびーずすとあ」など、さすがアーティストのキュレーション、と思わされる面白い作品ばかり。

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メインギャラリーのエントランスを飾った金光男作品 Photo: Yu Miyakoshi

イメージを黒いボーダーのグリッドで縛り、内包されたものが崩れていくのを崩壊するがままにしておく、という相反する手法で印象的だったのは金光男の作品。洗練されたイメージながらも、作品の奥に渦巻くような底力を感じさせ、これからどんな一面がひきだされていくのか、期待が湧いて来る。

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