高木真希人

PEOPLEText: Memi Mizukami

SHIFT2012カレンダーに採用された、ストロボ撮影された“キャラクターのスナップ写真の描写”というメタビジュアルとも言うべきイラストを描く高木真希人の作品は、その風景や色味に素朴さを感じると同時に強烈な印象を残す。人を記号として認識するとすればこのような表現になるのだろうかと、おもわず「私のキャラクターを描いて欲しい!」と思わせる魅力を持ち合わせている。アーティスト集団「オル太」としても活動している彼に、少しのインタビューをお願いした。

高木真希人 Makito Takagi
2010年 個展「Ascension Please!!」展 会場:ギャルリー東京ユマニテlab Photo:Takeshi Sumi

まずはじめに自己紹介お願いします。

高木真希人。1986年生まれ、静岡県出身のアーティスト、イラストレーターです。学生時代から、キャラクターを捉えたスナップ写真を描いた絵画を発表しています。アーティスト集団「オル太」に在籍しながら、個人でも絵画、イラストを発表しています。

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Snap series-22 / Acrylic on canvas / 515×728mm / 2010 © Makito Takagi

独特な世界観のイラストですが、イラストはコンセプトが一つ一つありますか?

場面設定があるのみで、それに深い意味を持たせるようなことはしません。ですが、背景や、キャラクターの模様、服装に暗号的にその時の気分を表すメッセージを入れることがあります。

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© Makito Takagi

一日にどれくらいのイラストを描くのでしょうか?

多くてノート10ページ、最低でも1ページ分ぐらいのドローイングをしています。電車の中や、暇な時など時間を見つけて手を動かします。ペンとノートを鞄に入れていないと落ち着かなくなります。

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Snap series-potato / Acrylic on canvas / 515×728mm / 2011 © Makito Takagi

好きな作家はいますか?

大竹伸朗、ヴィンセント・ギャロ、コーネリアスなどのマルチな作家さんが好きです。海外のパルプ雑誌の表紙や、映画の看板を描いているような、職人的な作家さんにも憧れを感じます。

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Snap series-23 / Acrylic on canvas / 515×728mm / 2010 © Makito Takagi

作品を作る上で大切にしていることは何でしょうか?

絵画では、変な奴を偶然見つけて写真に収めることができた、という事件性を演出することを大切にしています。そのために絵画の中では、キャラクターに名前や細かな設定などを付けたり、キャラとキャラがコミュニケーションを取っている場面を描いたりせず、僕自身がある程度の距離を持って彼らと接することを心がけています。一度描いたキャラクターは二度描くことはなるべくせず、一枚の中で世界を完結させます。

逆にドローイングでは、何も考えずに思ったものをそのまま吐き出すことを大切にしています。

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Snap series-20 / Acrylic on canvas / 515×728mm / 2010 © Makito Takagi

ブログでは、物の構造や建物も細部まで描いているのが一つの特徴としてあると思うのですが、建物などの構造を描くのも得意ですか?

昔から架空の部屋や、そこに置いてあるインテリア、CD、本、貼ってあるポスターなどを考えるのが好きでした。建物などの構造も描くのが好きなので、自分なりに頑張って描きます。

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Snap series-9 / Acrylic on canvas / 515×728mm / 2010 © Makito Takagi

“キャラクターのスナップ写真の描写”というアイディアはどこから来たのでしょう?

雑誌のおしゃれな人たちのスナップ写真を見ていて、ここにおしゃれでも何でもない変なのが写ってたら面白いなと思ったのがきっかけです。

また、当時、フラッシュを焚いて撮影したモチーフの光と影の映り方を研究していたので、それに合った絵の題材として、キャラクターのスナップ写真の描写を選んだという理由もあります。

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Snap series-steel / Acrylic on canvas / 515×728mm / 2011 © Makito Takagi

キャラクターは、ある人の特徴を抽象化するといったように、実際の人間がモデルでもあるのでしょうか?

ドローイングの段階では特定の人物を意識してデザインすることはありません。ですが、実際に絵画に起こしているうちに、なんとなく知り合いに似ていたり、キャラがどのような性格かが伝わってくる時があるので、無意識に実際の人間をモデルにしているかも知れません。

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Snap series-Rocket Boy / Acrylic on canvas / 515×728mm / 2011 © Makito Takagi

カレンダーに採用された作品について教えてください。どのようなストーリーがありますか?

祖父母の田舎に行く道中に、車窓から見つけた変な奴を写真に納めた、という設定で描いた絵画です。カラッとした空に突き刺さるように手を挙げ、枝を振る何か。多分、ヒッチハイクをしているんだと思いますが、後ろの車と比較すると、かなり大きな図体をしているのがわかります。乗せてくれる車は見つかったのでしょうか。

今月のSHIFTのカバー用に新作も制作いただきました。ありがとうございます。こちらについても教えてください。

喫茶店でカレーを食べている彼を見つけ、良いTシャツを着ているね、と言って一枚撮らせてもらったという設定で描いています。円錐の物体は帽子です。後ろに飾られているリトグラフは、ハムとレタスをイメージして描きました。

オル太」ではどのようなことを行っているのでしょうか?名前の由来も教えて頂けますか?

オル太では、祭りや日本文化、土とリンクしたテーマを元にメンバー全員で一つの作品を制作しています。近作では、メンバーが作品と一体化して空間、状況を構成する表現を試みています。代表作として2011年度の岡本太郎現代芸術賞の岡本太郎賞を受賞した「つちくれの祠」があります。また、10月3日まで岡本太郎記念館で9月23日~25日に行った「指彫刻」というパフォーマンスの映像と作品の展示があります。
オル太という名前には、古来より芸術をうみだしたその根源と現代を繋ぐ太いパイプに己がなる、という意味が込められています。

子供の頃の夢を教えてください。

子供の頃は漫画ばかり読んでいて、漫画家に憧れていました。中学、高校から読む物が漫画から、段々と美術やデザイン誌に変わっていき、漫画からは離れてしまいましたが、今でもドローイングにGペンやインクを使うのは、子供の頃の夢の名残だと思います。

Text: Memi Mizukami

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