ベロニカ・ブレッジマン

PEOPLEText: Gisella Lifchitz

いつもの様に何か新しくてビックリするようなものを探してネットサーフィンしていた時に見つけたのがベロニカ・ブレッジマンのドローイングだ。今回彼女の作品についてとても驚いたのは、その作品に対して抱いた親しみだった。1つ、2つ、たくさんのイラストレーションを通して、誰かが私に語りかけているように感じた。作品全てには共通点がある。ボディージェスチャーを描いたシンプルな絵で、顔は描かれておらず、どこかひねりのあるテキストが書かれている。今回はそうしたドローイングの裏に隠されたプロットに迫る。

ベロニカ・ブレッジマン
Photo: © Lucila Bodelón

いつドローイングを始めたのですか?


小さい頃から、私にとってドローイングはいつも身近な存在でした。ファインアートの勉強を始めてからは、ペインティング作品を手掛けていました。ドローイングを始めたのは最近で、大体5年くらい前のことです。一番最近のドローイングは、バルセロナで、ある女の子のベビーシッターをしている時に描いたものです。私たちは2人とも一緒にドローイングをするのが好きで、いつの間にか私は彼女を描いているのに気づいたのです。それからモレスキンのノートで試したりするようになりました。一方でペインティングがどんどんつまらなく感じるようになりました。

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当初から自分の選んだ道は正しかったと思いますか?

いいえ、全然。はじめ私はインテリアデザインを勉強し、それからグラフィックデザインを学ぼうとしたのですが、グラフィック作品をつくるのは(読み込みなど)待ち時間が長くて諦めました。あれは長過ぎです!ファインアートについては全ての過程を勉強しましたが、まずはじめは素材や質感、そしてどんなものが表現したいのかについて自分に問いかけました。それと同時に、自分の作品を展示し、いくつかをすぐに売却しました。ギャラリーと共に仕事をすることもありましたね。こうした時間は私にとって、とても素晴らしい時間でした。自分のペインティングスタジオを持っていて、作品も販売していましたよ。

そのような時期にスペインへ発たれたのはなぜですか?

他の国に住んでみたいといつも思っていて、その時がそうした経験をするのにぴったりな時期だと思ったからです。私の生活は完全に変わり、そのことで自分のインスピレーションがなくなってしまうのではと心配していたのですが、それが現実となりました。9ヶ月間絵を描くことができなかったのです。その後、以前とは違ったかたちで絵を描くことを再開しました。本当に全く違ったものです。そして現在のドローイングに至ったのです。私がいつも言うのは、自分が何をすべきかわからない時は一度待ってみるべきだということです。常にそうした無視から始まるのです。

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インスピレーション源は何ですか?

全てですね。皆に言われることですが、私はとても自己言及的な人間なんです。周りの人の言うことを聞いては、どこにいてもちょっとした紙に文章を書き留めて、それを自分のドローイングに合うように言い換えます。以前は私たちに予期せず起こったできごとなど、日常生活からインスピレーションを得ることが多かったです。一度止まってそれらを紙に書き留め、それにユーモアを加えます。時間とともに深みが増していくと思うんです。また、イメージとテキストの両方が重要な役割を果たしています。両方が互いに補完的に働いているのです。今では私のイラストレーションは私の感情に加え、他の人の感情も反映しています。

今の方が人々との結びつきが増したと思いますか?

ええ、本当にそう思います。ウェブのおかげで今ではたくさんのフィードバックがあります。「私も同じ経験をしました!」と言われるのがいいですね。

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ご自身のドローイングについて説明して下さい。

とてもミニマルですね。飾りは無く、顔を描写しないのが好きです。見る人はそこの表現を想像できますからね。鉛筆やマーカー、様々な紙など、違ったツールを使うのが好きです。スタイルとしては60年代のものを参考にしています。現代のドローイングと私たちに実際に起きていることのミックスが好きなのですが、ヴィジュアル的には他の時代の要素を取り入れたりします。古い写真やその写真の取られ方を見るのが好きです。写真に写っている人のポーズがおもしろいです。

本当にどのドローイングにも感情が込められていますね。テキストとイメージ、登場人物の内と外を表すポーズのコンビネーションがとてもユニークだと思います。ドローイングを見る人々と作品の世界感の中に強く根付いている登場人物の間には精神的、身体的の両方の一体感があると思います。そしてその一体感は意図的なものではないように思うのですが。

ドローイングを終えるときは、その作品を眺め、そしてこれはもう自分の物ではないと感じます。ドローイング自体を気に入ってくれる人もいますが、登場人物のポーズはなにかもっと深い部分のことを表現しているのです。これには何か良い意味で作品が疎隔していくような、ちょっと変な気持ちがしますね。どうしてそう思われるのかが自分自身でわかっているので、そう言って頂けるのはてても嬉しいです。エドワード・ホッパーが全ての作品の中でどうやって時を止めたのか、についても同じようなものが感じられると思います。私の作品も同じようなものを持っているんじゃないかと思っています。

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あなたの作っているパーソナライズドブックについて聞かせてください。

イラストレーションをする前に作ったものです。友達へのプレゼントとして作りました。彼らが好きな欲しいものをあげたかったのです。色んな素材を使って遊ぶのが好きです。

他の人の作品のカスタムアートワークにも取り組んでいますね?

ええ、もちろんです。でも実際に取り組むのはなかなか複雑です。自分がすることについて正面から向き合う必要があるので、まず他の人のアイディアに対してきちんと感謝した後、制作を始めます。するとすぐにカスタムのアイディアが浮かんで、そのアイディアが自分のものになるのです。

あなたのキャリアの中で最高だった瞬間を教えてください。

今日は私にとて素晴らしい瞬間です。自分のすることをとても満足しています。数週間前にオズ・ギャラリーで終了した展覧会はとても成功しました。観客の反応はとても嬉しいもので、本当に満足しています。そして、同時に自分の人生にたくさんの変化がありました。アーティストは制作に正面から向き合うべきだと思います。私はいつもそれを作品に作り上げるわけです!自分のドローイングが自分自身の構造の一番深い部分を癒してくれるのです。

バルセロナで作品を発表しましたよね?

そうです、伝統的な場所やオルタナティブな場所など様々な場所で発表しています。私の作品はオルタナティブなギャラリーが一番しっくりくると思います。他のアーティストと共同でグループ展もしました。

自身のプロジェクトについて教えて下さい。

一番大きなプロジェクトは私のイラストレーションブックです。自分のイラストレーションがもっと強力で、もっと人気のあるものになってほしいと思っています。おそらくパフォーマンスか何かでできたらいいですね、まだはっきりはわかりませんが。新しいものにはどんどん挑戦したいです!

最後ベロニカは大きな笑顔と郷愁漂う目でさよならを言ってくれた。そして私はいつのまにかまた道をぶらつき始める。目のない顔で私を見つめてくる不思議な人々のイメージを思い浮かべながら。声の無い人々がささやいている。知らないはずなのにどこか親しみやすくて見続けてしまう、色んなものを感じさせてくれる素敵なペンと紙のパラレルワールド。

Text: Gisella Lifchitz
Translation: Ayano Yamada
Photos: Lucila Bodelón

Text: Gisella Lifchitz
Translation: Ayano Yamada
Photos: Lucila Bodelón

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