ソナー 2009

HAPPENINGText: Julio Cesar Palacio

太陽が照りつける快晴の中、ソナー 2009がスタートした。観客たちも週末に渡って続くパーティーに向けて体力を温存しているといった様子で、初日はリラックスした雰囲気。落ち着いているのは照りつける太陽のせいかもしれない。しかし、現在の経済危機にも関わらず、参加者の数は依然として大きく、連日(6月18日〜20日)バルセロナ現代文化センター(CCCB)は人で溢れかえっていた。

まず、初日には、人々はくつろいで音楽を聴くための日陰を探したり、フェスティバルに参加するアーティストのショーを見るなど、思い思いに過ごした。人々は、それぞれ違った理由でこの場所に集まっていて、まさに、みんながいるべき場所にいるのである。

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Luomo

午後4時を回ると、ソナーヴィレッジは人々の熱気で盛り上がり始めた。ザ・ウィザードと呼ばれる、ジェフ・ミルズによる昼間のセッションが始まると、観客はシエスタをやめ、皆踊り始めた。ミルズのパフォーマンスでヴィレッジステージへ注目が集まると、続いて有名なフィンランド人のルオモがステージに上がり、ハウスポップで会場を盛り上げた。

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Mulatu Astatké

しかしその後、人々はヴィレッジからソナードームへと移動し始める。ジャズファンクとエチオピアの伝統音楽をミックスした、ムラトゥ・アスタトゥケヘリオセントリックスによるパフォーマンスを見るためだ。民族的ルーツ音楽と電子音がいっしょになった今回のエディションは、大きな話題となるだろうというアイディアのもと行った初めてのショーとなった。

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Konono nº1

コンゴ出身のコノノ・ナンバーワンは、日中に行われたソナーの中でも一番のショーだったかもしれない。このバンドは、去年もソナーへ招待されていたが、寸前になってビザが取得できず、参加することができなかった。彼らを実際に目の前にした観客は興奮し、バンドは、アフリカのサウンドとパンクを融合した素晴らしいパフォーマンスと圧倒的な存在感でそれに答えた。

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Joe Crepúsculo + La Estrella de David

ソナーは常に最高のローカルミュージックを紹介し続けている。今回、主催者はアーティストのショールーム、またその重要性のシンボルとして、本当に素晴らしい会場を提供した。しかし、残念なことに、全てのローカルバンドがこの機会を、自分たちの才能を発揮する場にしているわけではない。ジョー・クレプスコロオルケスタ・デル・カバロ・ガナドールタランチュララ・エストレジャ・デ・デイビッドといった多くのローカルスターはパフォーマンスに対して積極的ではないのだ。これは、彼らの音楽性や場所の問題によるものではなく、態度の問題だ。そうした態度が、彼らのショーをより小規模で、地元の友人しかこないようなパフォーマンスにしてしまうのだ。

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ステファン・マークス
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