ソナー 2009
Young Fathers
金曜日はイギリス出身のヤング・ファザーズによるショーでスタートした。オールドスクールのヒップホップやエレクトロポップを歌いながら、3人のメンバーがステージ上で踊るという斬新なパフォーマンスだ。続いて、イギリス出身のビジュアルアーティスト、クアヨラによるショーが行われた。ステージでは幾何学模様が表示され、大きなサウンドに合わせて波が生みだされる。そんな中で行われた、エキサイティング、かつ、パワフルな音をミックスし、バーチャルイメージをも利用したパフォーマンスの表現力は本当に素晴らしいものである。
La Roux
ステージ近くに、多くのプレスフォトグラファーが集まり、熱狂的な人だかりができていた。エリー・ジャクソンがリードを務める、イギリス出身のエレクトロポップのニュースター、ラ・ルーに向かって、人々は彼らの様々なヒット曲を歌ってた。このデュオは大きな歓声の中、パフォーマンスを行った。
Ryoichi Kurokawa
屋外ステージで飛び跳ねた後は、ソナーホールの中で行われる、黒川良一による映像とノイズ音を利用したシンプルな構成のパフォーマンスだ。この日のパフォーマンスの中で、最も実験的なものだっただろう。目も耳も大いに楽しませてくれた。
Micachu and The Shapes
期間中、大変な人気を得ていたのはミカチュー・アンド・ザ・シェイプスだ。この3人組は、彼らのニューアルバム「ザ・ジュエリー」からの曲を演奏した。彼らが持っている矛盾性や、ガラージやエレクトロポップの枠を越えるほどの可能性はとてもおもしろいものだ。このバンドはこれからも私たちをずっと楽しませてくれるだろう。
Omar Souleyman
シリア出身のオマール・スレイマンによるエキゾチックなテクノフォークほど、会場をハッピーに、パワフルに踊らせたステージは見たことがない。彼のレコードはシリアのガソリンスタンドで売られており、ソナーのショーでは、「ダブケ」(アラブの民族舞踊)のヴォーカルを利用した、アラブ文化とフォークポップの融合が注目を浴びた。間違いなくこの日、一番の瞬間だっただろう。
Bèstia Ferida
その後、ソナー・コンプレックスで再度、セミローカルバンドがパフォーマンスを行った。しかし、今回は特別だ。というのも、驚くべきトリオが演奏するのだ。カルトバンドのLes Ausのドラマー、アルナウ・サラとニューヨークのバンド、マーズのマーク・カニンガム、ローカルバンドのベラクルスのエイドリアン・アルフォンソの3人だ。この3人はフリージャズに近い音楽をフリースタイルで奏でるコンセプチュアルノイズ・バンド、ベスティア・フェリーダを結成した。彼らは心の奥に秘められた力によって、アバンギャルドな制作を行っている。
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