イケア50周年記念展

HAPPENINGText: Victor Moreno

イケアは製品を売ることで、スウェーデンを紹介しているのだ。世界的によく知られている、あの青と黄色のロゴは、スウェーデン文化を世界中の人々に発信し、身近なものにしているのだ。どんなに有名な企業でも、イケアほど「スウェーデンらしさ」と強い結びつきを持つ企業はない。

新しくて安いという前提で、彼らの伝統の誇りのもと、新たな世代を取り入れるというのがイケアのメインコンセプトのひとつであり、様々な人のことを考えた、「デモクラティック・デザイン」という設立者のポリシーを実現するために励んできた。これは、たとえ経済力がなくても、生きる上では皆が素晴らしい身分を与えられるという、スウェーデン建国における方針にも従うものだ。これこそがフォルクヘンメットである。

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イケアはスカンジナビアのモダニズムを基盤としているが、イケアのメインストリームに対するアプローチは、そうした基本思想によるものだ。もしかすると、イケアがアメリカ進出した時の「America´s a big country, someone´s got to furnish it!」(アメリカは大きな国、誰かが家具を供給してあげないと!)は最も有名なスローガンキャンペーンかもしれない。

イケアの前デザインディレクターであるレナート・エクマークのは「私たちの目標は多岐に渡りすぎてしまっていて、また、海外での活動の比重が大きくなってしまった。もはやスカンジナビアのスタイルに基づいてるとはいえない。ヨーロッパでのフェアに時間をかけすぎてしまったし、ライバル企業にも目がいきすぎてしまっていた。」と述べている。実際にイケアはイケア以外の国内外のデザイナーのデザインや、エネルギーに溢れるデザイン界の企業家に再度注目している。

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© IKEA

リリエバルク美術館の下の階には、ヴィンテージショップがある。中古のイケア製品や小さめな家具を扱っているショップだ。来訪者はここにイケアの中古製品や小型家具を持ち込むことができる。

50 YEARS OF IKEA
会期:2009年6月13日〜8月30日
開館時間:11:00〜17:00(火・木曜日20:00まで)
会場:リリエバルク美術館
住所:Djurgårdsvägen 60, Stockholm
入場料:69 SEK
http://www.liljevalchs.stockholm.se

Text: Victor Moreno
Translation: Ayano Yamada
Photos: Victor Moreno

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