ウィーン・フェア 2009

HAPPENINGText: Daniel Kalt

ウィーンフェア 2009
Lukas Pusch at Konzett Contemporary © Daniel Kalt

コンゼット」もウィーンにあるギャラリー兼アートディーラー。その現代アートセクションでは、クリスチャン・アイゼンバーガー による非常に驚くべきヴォルペルティンガー風のミニチュアテーブルや、若手オーストリア人アーティストルーカス・プッシュのペインティングを展示。モスクワで学んだプッシュの作品からは、その国の文化へより近い感情を抱いていることは明らかだ。それは、新しいロシアの富を精巧なカリカチュアで表現したものだ。

ウィーンフェア 2009
Gerold Tagwerker at Grita Insam © Daniel Kalt

Gerald Tagwerkerのアーバンアート・スタディの例は、パーテーションで区切られた「グリッタ・インザム・ギャラリー」のスペースに世論を求めたが、いくつかのインスタレーションは、DIYと互換性のある、とても”アルテ・ポーヴェラ”(原文では”arte” “povera”。イタリア語で「貧しい芸術」の意)なものとして分類されただけだった。こういうのもなんだが、ムードを破壊する不況のこの時代に、頼りたくなるような元気のあるようなものは必要ないのだ。

ウィーンフェア 2009
AES+F at Knoll gallery © Daniel Kalt

ウィーンとブダペストにもオープンしている、「ノール・ギャラリー」では真のロシアのアートを見ることができた。販売に出されていたAES+Fコレクティブによる2つのライトボックスの、スタイリッシュな衣装を着た病期診断された死体からは”メメント・モリ(死を想え)”といったような、昔のものを懐かしむバロック調なノスタルジアを感じる。

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