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ツェーネオン

PEOPLEText: Shintaro Miyazaki

そのコンペで受賞すると思ってましたか?

クララ:全然! 大抵の受賞者はフェミニンな服を作っていることが多かったから。私たちのはもっとカジュアルラインなので。

ドレーン:私たちが提出した作品は色を強調した冬物コレクションでした。モデルみんなが沢山の生地で包まれるような。フェミニンファッションとは逆のことをやってましたから。

クララ:ちょうどそのコンペティションの20周年を迎えた時で、その優勝者がフランス人でなくてドイツ人だったなんて! きっとショックを受けた人もいたんじゃないかしら。大抵のクオリティの高いファッションはベルギー、フランス、イギリスからなので。

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Mini collection for Topshop Photo: © Alex Kohout

c.neeonというのはどういう意味ですか?

ドレーン:cはクララ(Clara)のcで、neeonは私の小さな妹がドレーン(Doreen)を間違って発音したことから由来してます。女性らしくもなく、男性らしくもないような名前を付けたかったんです。

ファッションをやってるのはなぜですか?

ドレーン:自分自身のためです。もともとファッションビジネスが背景にあるので、テキスタイルとか服には小さい頃から慣れ親しんでました。

クララ:大学で勉強を始めた頃、いろんなことを受け入れようとしてました。表面デザインや色、パターンが好きだったのですけど、同時にファッションにも、もっともっと興味を持つようになって。ドレーンと友達になったのは、ちょうどその頃です。仕事で好きなところは、アイディアをコレクション毎に変えられること。どの新作コレクションを手がけることも、私にとっては新しくチャレンジすることなんです。

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Do you remember the first time – SS06 Photo: © Shoji Fujii

経歴を教えてもらえますか?

クララ:ベルリン育ちで、クロイツベルク、ティーアガルテン、プレンツラウアーベルグなどの地区に住んでました。ドレーンは、ドイツの中心から東に位置するチューリンゲン出身です。すでに10年以上はベルリン在住ですけど。

少し日本について話して下さい。

ドレーン:「日本におけるドイツ年」だった2005年に日本へ行きました。東京は素敵ですね。ちょうど季節は春で、公園へ行ったり。ベルリンと似ているところもありますね。東京はもっと疲れるところかと思ってましたが、案外穏やかなところでした。東京の横道が好きです。

日本のファッションデザインは好きですか?

ドレーン:もちろん! ヨージ・ヤマモトイッセイ・ミヤケは素晴らしいです。そういえば、「Local Foreiner(地元の外国人)」というタイトルの2007年春夏コレクションは、日本との出会いがきっかけとなってます。どこかのフリーマーケットで見かけた着物の帯にインスパイアされたり。

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Local foreigner – SS07 Photo: © Alex Kohout

どんな音楽が好きですか?

ドレーン:インディーロックなどのバンドもののコンサートによく行きます。10代の頃にはパンクバンドを組んでたこともありましたよ! とにかく私にとって音楽は結構重要で、ツェーネオンの、特にファッションショーのイメージを構想するのにも役立ってます。最初のコレクションは「デイドリーム・ネイション」というソニック・ユースのアルバムからとったタイトルでしたし、その時使った音楽はパルプというイギリスのインディバンドの曲を使いました。

ベルリンのアートや音楽シーンはどうですか?

ドレーン:ヨリンデ・フォークトのオープニングに行きました。彼女の作品は好きですね。でも普段はあまり外に遊びにいく時間がないんですが、アートや音楽は楽しんでるし、仕事で出会う人々から影響受けたりしてます。

将来c.neeonをどのように発展させていきたいですか?

ドレーン:もっと女性らしいファッションをやってみたいです。カジュアルな感じも残しつつ、更に成長させた形でね。3月にコレクションを終えたばかりなので、少し休憩して新しいアイディアを探そうと思います。もちろん9月にショウを行う予定です。

Text: Shintaro Miyazaki
Translation: Mariko Takei

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