ガレス・ムーディ
PEOPLEText: Fiona Killackey
『いつも自分のためにデザインしているんだ。』とオーストラリア人デザイナー、ガレス・ムーディは言う。『創造の女神はまだ現れていない。探している途中なんだ。』
当初はモデルとしてファッション業界に入ったが、二人の友人と出会い、シドニーにスタジオを構え、やがて自身のデザインを世界中に知らしめた。その二人の友人とは、ダン・シングルとジョージ・ゴロウである。彼らは自身の名であるブランド、KSUBI[スビ]を生み出した。7年後、かつてのネオン中毒はトーンダウンしており、選りすぐりのジュエリー、最新トレンドの靴、彼の革新的なレーベルのためのファッションを形にするコレクションを生み出したら非難されるかもしれない。
そのレーベルは、クロニクル・オヴ・ネバー [CON] という。2年目に入り、CONは様々なトレンドを生み出す。例えばミニマルの感性やトレンドに独自のアプローチをしたりしている。焼け付くようなオーストラリアの夏を間近に控え、かつてのサーファーがSHIFTの単独インタビューに応じ、クールな若者や日本、そしてクリエイティビティの秘密を語った。
![ガレス・ムーディ](https://www.shift.jp.org/en/archives/2008/12/18/ss09-1.jpg)
![ガレス・ムーディ](https://www.shift.jp.org/en/archives/2008/12/18/ss09-2.jpg)
Chronicles of Never – SS 09 Collection © Photo: Scott Lowe
CONとその始めた時期や理由について聞かせてください。
CONは、私が逃げこむ場所でもあり、また私が逃げ出したくなる場所でもあります。また潜在意識の入り口と認識しています。
潜在意識という言葉を使ったのは、自分の意識を超えた何かや誰かが私を操作しているような感覚になるからです。
一歩下がって自分を客観的に見ると、驚いたり、自分を見直せたりします。CONは、私のクリエイティビティを刺激する場であり、また共に歩むレーベルなのです。
クールなキッズファッション的な明るくてネオンをイメージさせるブランドから、いろいろな意味でもっとダークでミニマルでヨーロピアンなレーベルに移行しましたが、その背景には何があったのですか?
まず、“クールなキッズファッション”というキャッチフレーズは、出発点としては良かった。でも私はもういわゆるキッズではなく、好みや興味はそこから進化しています。クールなキッズファッションにもデザインをそのトレンドに合わせることにも、興味はなくなりました。以前のレーベルはチームだったので、それぞれの個性の集合体の投影だったのですが、CONは一個人としての投影なのです。なので、単なるリアクションではなく、明らかで確信があって、私個人の偽りのない作品なのです。
![ガレス・ムーディ](https://www.shift.jp.org/en/archives/2008/12/18/aw08-2.jpg)
![ガレス・ムーディ](https://www.shift.jp.org/en/archives/2008/12/18/aw08-1.jpg)
Chronicles of Never – AW 08 Collection
スビより前は何をしていましたか?
スビ以前は、モデルをしていました。そこで私はファッション業界に興味を持ちました。いつかクリエイティブな仕事に就くことになるとは思っていました。ただ細かくは決めていませんでしたが。
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![ガレス・ムーディ](https://www.shift.jp.org/en/archives/2008/12/18/ss08-1.jpg)
Chronicles of Never – SS 08 Collection
日本のカルチャーやファッションについてはどう思いますか?
日本には何度も行ったことがあります。日本は好きで、多くのインスピレーションを受けます。世界で起きているあらゆることが入り混じっている一方で、洗練されていて、全てのものが最高水準に達しています。
オーストラリア出身であることがあなたのデザインに影響を与えてますか?
実際、良くも悪くも非常に影響を与えます。今の場所は好きだけど、時々息苦しく感じるので、逃避という形で、ある意味オーストラリアをイメージさせないものを生み出すつもりです。
最近好きな音楽を一つあげてください。
特にないけど、ティンダースティックやヒューゴ・レースはよく聴きます。
2009年のCONのお気に入りの作品は?
冬のコレクションのDADAバッグです。
日本にも入荷しますか?
ヒーズン by ミッドウェストや、クレオパトラ、アメリカンラグに置く予定です。
Text: Fiona Killackey
Translation: Kei Shimizu