ロバート・マイルズ・ケンプ「インタラクティブ・バブル」

HAPPENINGText: Christopher Lenz

我々が生活空間について考えるとき、その中に、我々の生活の質を決めている主な要素が分かる。その建築スペースで、我々は生活の基礎を構成し日常生活の行動を決めて住んでいる。我々はその空間と与えられた構造の中でアレンジしていくことに慣れているものだ。

しかしもし、その建築物が我々のニーズに応え、我々に順応してくるとしたら?対応型建築のコンセプトは新しく考えられたもので、再プログラムできる空間の可能性を模索し始めた革命的な分野である。

講演で彼は過去の建築物の前例や自動化における現在のトレンドに焦点をあて、変形可能なロボットビルやアップデート可能なシステムのデザインや建築物などを簡単な歴史総覧にして紹介してくれた。

キューブリックが見せた現実で人類に背を向け、宇宙空間をコントロールしたコンピューターHAL9000の例とは対照的にコンピューター化した建築空間は人類への貢献を留めており、リビングやダイニングルームをパーティーの開ける広いスペースに変化させたり、我々のニーズによって建物のモジュール部品を操れるようになっている。その他の例としては使う人間の身長によって高さを調節してくれる対応型シンクがある。

南カリフォルニア建築大学を卒業したケンプは、様々な対応型でコンピューター化された技術にのめり込み、異なった様式や空間構造を形作るプログラム可能な動きを六角形要素で実験するという自身の最終理論研究に打ち込んだ。六角形という形は、変化の定まらないモジュラー要素のニーズと特に相性がよく、コンビネーションの幅広い多様性が考慮されている。

全てに利用可能なテクノロジーを含んだ生活と体験型建築の近代化への道を革新する可能性は無限であるが、但しひとつの疑問が残る。もしこの再プログラム可能なスペースが別のHAL9000のようになり、プログラムを自分で開始し、我々に迫ることを決断したら?

多少不安な考えだが、ヴィジョナリストの考えはこの種の見当違いな疑問を禁じている、そうだろう?

Reprogrammable Space: Building Updatable Spatial Systems
日時:2006年11月7日
会場:Material & Applications Gallery
住所:1619 Silverlake Blvd., Los Angeles, CA 90026
https://www.emanate.org

Text: Christopher Lenz
Translation: Yurie Hatano
Photos: Christopher Lenz

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