トレバー・ジャクソン

PEOPLEText: Yurie Hatano

今月のSHIFTカバーを手がけたのは、ロンドンを拠点にデザイナー、リミキサー、プロデューサー、DJ、ミュージックレーベルオーナーなどとして知られるトレバー・ジャクソン。80年代後半よりハウス、ヒップホップ系レコードのジャケットデザインを手がけることから幅広いキャリアをスタートし、以来約20年間、ミュージック、クリエイティブ業界にて類い稀なる方法でその才能を知らしめてきた。あらゆるフィールドの本質を知るクリエイター、トレバー・ジャクソンに話を伺った。


Fact Magazine Cover 2005

まず始めにバックグラウンドを聞かせてください。

ロンドンを拠点にしていて、生まれてからずっとここに住んでいます。1985年に「BITE IT!」という自分の会社を立ち上げ、デザインを始めました。主にインディペンデント・レーベルがリリースするハウス、ヒップホップ系のレコードカバーを手がけていました。その後1992年に、同名のUKヒップホップレーベルをスタートし、活気に満ちたUKアンダーグラウンドの才能をフィーチャーした沢山のレコードをリリースしました。

同時に「THE UNDERDOG」として自分のミュージック遊びもショーケースします。まもなくプロダクションとリミックス作品のみに集中しはじめ(自分のレーベルのカバーデザインは除く)、マッシブ・アタック、U2、アンクル、RUN DMC、ザ・キュアーなどのリミックスを手がけました。1996年に、新しい沢山のジャンルの音楽をショーケースできるよう、新しいレーベル「OUTPUT」をスタートし、フォーテット、ザ・ラプチュア、LCDサウンドシステムなどのレコードをリリースしました。

ヒップホップのプロダクションから離れると、PLAYGROUPという新しいプロジェクトを立ち上げ、2001年に同名のアルバムをリリースしました。(このプロジェクトは僕が育った80年代の音楽に敬意を表したものです。)過去5年以上に渡ってPLAYGROUPとして制作、リミックス、DJをしてきました。同時に、SOULWAXなどのクライアントや(ここでのカバーアートが TOKYO TDC 2005にて受賞)「OUTPUT」レーベルのほとんどのアートワークのデザインも続けていました。


Soulwax – Commercial Vinyl Singles, Pias Recordings 2004

ここ最近は様々な新しいミュージックプロジェクトを手がけてきていたり、これから立ち上がる衣類ブランドや、ムービープロジェクト、インスタレーションなどへの冒険もしています。
現在は、僕が人生で得た刺激的な機会について考えながら過ごすことが多くなったようです。僕自身も楽しめて、他の人にとっても意味のあるような何かがここから生まれるといいですね。


Soulwax – Any Minute Now, Album Cover, Pias Recordings 2004

デザイナー、リミキサー、プロデューサー、DJ、レーベルオーナーとして幅広い分野でご活躍ですが、最も情熱を注ぐことは何ですか?また、これら全てのキャリアのきっかけは何ですか?

僕は自分自身を、反動的なクリエイティブ人と思いたいです。どんなムーブメントやグループの一部になることにも興味がなく、個人的に自身の経路を刻めるよう努めています。何か挑戦したいようなことがあったとしたら、それは誰もやっていないこと。常に物事を疑問に思い、決して満足しません。これは僕のキャリアの全ての領域で言えることです。

ミュージック、アート、ファッション、クラブカルチャーなど沢山の異なるグループの人達がコラボレーションをする、とても折衷的な融合の時代に育ったことはとても幸運でした。このことが僕の頭を柔らかくし、他とは違ったことに向かわせました。僕がする事には全てに目的がありますし、存在するに値すると強く思っています。普通のことには興味がありません。

最も情熱を注ぐことは、全ての媒体からの強い感覚やパワフルで感情的な経験、単純さと正直さ、純粋さと誠実さ、それからアニッシュ・カプーアのアート、岩井俊雄のゲーム、トム・ヨークの音楽です。

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鈴木将弘
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