「ビューティフル・ルーザーズ(美しき敗者たち)」展

HAPPENINGText: Francesco Tenagli

ビューティフル・ルーザーズ(美しき敗者たち)」は、アレグドギャラリーのアーロン・ローズとストレングスマガジンのクリスチャン・ストライクの共同キュレーションよる企画展。2004年から始まったこの反体制文化の衝撃的な展覧会は、アメリカ中を飛び回り(シンシナチ、サンフランシスコ、バルチモア)、ヨーロッパへも巡回。そして来年にはアジアやオーストラリアでも展示が行われる予定だ。


Mike Mills, The Cops Are Inside Us Poster, 2002

「影響とルーツ」と名付けられたオープニングセクションでは、ロバート・クラム、レイモンド・ペティボン、アンディー・ウォーホル、ラリー・クラーク、ジャン=ミシェル・バスキアらによって形づくられた過去10年の間にアメリカで広まったアンダーグラウンドな芸術面での動きや、ヒップホップ、パンクそれからスケートボードといったようなサブカルチャーの再結合を目的とした体系をうみだす。


Barry McGee, Ryze, 2006

この展覧会のキュレーターの二人は、10代の不安を伴うくつろぎの中での楽しくも不敬な視覚文化の色とりどりで有機的なものへの賞賛や、オルタナティブ音楽の挑発的な態度、また不快で不潔なパンクの表現も取り入れている。いくつかの際立ったものは、ライアン・マッギンレーの若い頃の恍惚とし生き生きとした写真や、相棒のマイク・ミルズの小奇麗なデザイン、巧妙な構図、またシンシア・コノリーによる何度も見入ってしまう彼女の旅行からの白黒写真などがある。全てを通しての印象は主潮におけるアンダーグラウンドの広がりの上陸を歓迎するパーティのようである。


Cheryl Dunn, Drafted, 2004

カルト的監督であるハーモニー・コリンの、彼の友人であるアメリカ人の手品師ブライアン・ブレインがロンドン、テムズ川のそばにおいてアクリル樹脂で作られた箱の中に入り地上135メートルも上から吊るされるといった内容の「Above the Below」(2003)という短編映像も公開される。その映像(一連の映像にはブライアンの中で自発的に好まれた孤独の不変や圧迫的な協議やインタビューなどが含まれる)は、ハーモニーの世界観の中でコリンの独特な芸術的ビジョンである先見性を含む証拠や感傷的な異常性、また大げさで堂々とした結合が付け加えられている。お見事。

Beautiful Losers
会期:2006年2月17日〜3月19日
会場:Triennale di Milano
住所:6 Viale Alemagna, Milano
https://triennale.org

Text: Francesco Tenagli
Translation: Yukino Kotake
Photos: Courtesy of Triennale di Milano © the artists

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