ゲット・イット・ラウダー 2005

HAPPENINGText: Samantha Culp

すでにもう数カ月に渡って、中国のデザイン・コミュニティは「ゲット・イット・ラウダー」に胸を踊らせ続けてきた。ゲット・イット・ラウダーとは、“世界中の若いデザイナーやアーティストによるビジュアル・ノイズ” をテーマに開催されているイベントで、この種の中国で行われる大規模な展覧会としては、初めての試みとなる。中国の3つの主要都市、深川、上海、北京において、数々のシンポジウムが開かれるというものだ。4月30日、その幕は切って落とされ、深川のウェアハウスで行われたゲット・イット・ラウダーにて、若いクリエイティブの勢力が最初の叫びをあげた。

初日は、若い情報通の中国人の若者達や海外からやってきた観光客など、手頃な人数の観客達(ある概算によると200人)が集まり、「オーバーシーズ・チャイニーズタウン・コンテンポラリー・アート・ターミナル」(この名前は言う人によっていつも違うが)の大きなメイン展覧会ホールに迎えられた。

中に入ると、客達は冷たいウイスキーのグラスを取り(スポンサーであるシーバスリーガルの提供によるもので、参加デザイナーによる奇抜なアシンメトリーのグラスに注がれていた)、そして洞窟のようなスペースに並べられた、100人以上ものデザイナーやアーティスト達(そのほとんどが中国人や、中国の家系を持つ人)の作品をじっくりと鑑賞した。満足感に溢れたざわめきが広がった後(ビジュアルからでる音もお酒を選ぶ時の声も含め)、客達はスペシャルゲストのパネルスペースに移動していく。

サイマン・チョウカム・タンなどのデザイナーを取り上げたものや、また夜がふけるまで行われたリン・チェン、ジャスティン・チョン・ミンジー、リン・チン・サンによるサウンド・アート・パフォーマンスなどがあった。しかし、あまりにも沢山のビジュアルの刺激がメイン展覧会会場で行われた為、客の多くは他のイベントに行く前にすぐに力尽きてしまったように見えた。

本展のプレスリリースでは、折衷的に並べられたメディアアートフォームの数々が約束されていた。ポスター、イラストレーション、フォトグラフィ、本、おもちゃ、Tシャツ、ファッション、アニメーション、ビデオ、ショートフィルム、スクリーンをもとにしたインタラクション、デジタルイラストレーション、建築、そしてサウンドなどだ。これら全てのカテゴリーは実際に紹介されていたが、その作品の大部分を占めるのがグラフィック・デザインに焦点をあてたものであった。

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