ゲット・イット・ラウダー 2010

HAPPENINGText: Mao Xianghui, Hu Xiaodong, Hiromi Nomoto

ゲット・イット・ラウダー 2010(Get It Louder 2010)は、「シェアリズム(sharism)」というテーマのもと開かれた。2005年から始まったこの展覧会は、中国の新進気鋭のクリエイターを盛りたてていこうというもの。デザイン、映画、音楽、アート、幅広い分野で活躍する若者を中心としたクリエイターを集め行われる。今年は中国国内外から100名を越える参加者があり、初めて文学の分野からの出展もあった。9月19日から10月10日は北京の三里屯SOHOで、10月22日から11月7日は上海の800showにて開催された。

ゲット・イット・ラウダー 2010
Get It Louder 2010、上海会場

「シェアリズム」創作活動の過程は直線的ではないはず。自身を取り巻く周囲からの情報や他から得られた知識を、まるで雪だるまを作るように巻き込んでできていく。知識や情報の共有は人々にとって有益である。また知識や技術それ自体の発展も期待できる。さらに、共有するかしないかは自分で決めることができる。現在、知的財産権や所有権を強く主張するあまりに、これらのことができなくなっているのではないか。シェアリズムとは、この現状を打破し、更に人類を発展させられる考え方なのである。

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映像作品「タイタニック」

80后(バーリンホウ:80年代生まれ)の作家ジャン・リャンユエンの映像作品「タイタニック」。小さな食堂、図書館、またはスーパーでのこと。映画「タイタニック」で水没していく豪華客船の船内の様な強力な放水。その中で人々は全く気付かずに平常通りの行動をする。世界では日々様々な事件や事故、災害が起こっている。外界でどんなことが起ころうと、私たち個人は黙々と普段の生活を続けているのだ。人間の強さとも、現代人の社会や他人に対する無関心さとも言える。

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映像アーティスト集団「3分間」

「3分間 第9期—侠客」。同じ一つのテーマでありながら、メンバーそれぞれが違った種類のストーリーを紡ぎだす。北京を主に活動をする若手アーティストグループ。2009年5月からアンダーグラウンドで継続的に作品上映をするといった活動をしている。彼らは毎回テーマを用意し、3分間の映像作品を作る。以前のテーマに、「傷心」、「リマーク」、「コミュニティー」等がある。
ゲット・イット・ラウダー 2010は、彼らにとって公共の場での初めての活動である。

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