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コミュニケート

HAPPENING


コミュニケート」というのは、昨年ロンドンの監視塔にて初めて発表されたイギリスのインディペンデントグラフィックデザインのここ40年の調査のことで、それはブリティッシュカウンシルの助成のもと、ここ上海まで巡回している。上海アーバンプランニングエキシビションホールで6月2日から19日まで行われた、2回目の巡回地としての上海での発表は、丁度ほかのメジャーなグラフィックデザインの展覧会「Get It Louder」と時期を同じくして開催された。出来ばえはやや荒削りではあるが、ただグラフィックの領域においてのみ野心的に取り組んだ「Get it Louder」に対して、「コミュニケート」は新しい風を吹き込むようなものだった。

多才で、尊敬すべく批評家であるリック・ポイナーのキュレーションされたこの展覧会は、大らかさと厳格さの両方を併せ持つような正統なブリティッシュスタイルに処理され、広範囲に渡る構成ではあるが、それはだらしない広がりをみせるようなものにはなっていない。100人を超えるクリエーターから集められた600を超える作品は、出版物や音楽や社会への反抗や個人的な仕事などのようなカテゴリーに基づいてオーガナイズされている。エラリー・クイーンのミステリー小説からマッシヴアタックのCDジャケットデザインにまで及ぶそれぞれのカテゴリーは、キュレーターの念入りな視点を反映させていて、イギリスの最良のものを見つけるという調査の中で妥協をみせていない。

例えば出版物のカテゴリーでは、OZマガジンのサイケデリックな作品に移行する前の、ペンギン社の犯罪小説のカバーを手がけていたころのロメック・バーバーの作品から始まった。ここから、キュレーターは“自意識的なデザイン”(これはキュレーターのノートにある言葉だが)ともいえる、I-D や The Face(テリー・ジョーンズのような人々の作品をフィーチャーした)などのような、80年代には主流の出版物にまで影響を及ぼした雑誌類にまで急速に展開させる。

音楽関連の作品の選択に関しては、「リボルバー」や 「サージャント・ペパーズ」などを含むクラウス・フォアマンのビートルズのためのサイケデリックな作品などから、パンクのヴィジュアル表現の文法にもなったカットアンドペーストやネオン色のコラージュ作品などで知られるジェイミー・レイドのセックスピストルズのための作品までフォローしている。
これらは、1960年代の半ばごろに発表され、これらのバンドの“アルバムをアート作品として見るような”助けにもなったとキュレーターは書いている。これらの傾向は、ピーター・サヴィルによるニュー・オーダーや ジョイ・ディビジョンのためのカバーアートが施され1970年代まで急激に持ち越され、グラフィックデザイナーの役割を再定義し、そしてブリティッシュデザイナーをトップレベルまで押し上げた。これに続く時代に、トマトやデザイナーズリパブリックなどはフライヤーやポスターやアルバムのジャケットにおいて世界的なクラブカルチャーを定義するに至った。

上海を訪れた人は、おそらくこの展覧会の補足部分—それはブリティッシュカウンシルのオーガナイズによるコンペで選ばれた中国の学生の作品で、展覧会場の最後の方のコーナにあるのだが—を見逃してしまうかもしれない。寧波大学や、上海バンド専門学校や、他の大学からの生徒は“コミュニケーション”というテーマで作品を制作した。28人の生徒によるグリッド分けされた30枚のパネルは、文字の流動的な自然を開拓している。

概してこの展覧会は、豊富なマテリアルやマルチメディアステーションや隙のないアテンドに支えられた、きわめて厳密にキュレーションされた企画である。不満があるといったら、40RMBという高価な入場料くらいだが、それは観光客にとっては理解しえる金額だ。
ブリティッシュカウンシルの文化融合の現在進行形の試みは、明白に、より贅沢に、そして魅力的なものとして今も続いている。


Communicate: Independent British Graphic Design since the Sixties

会期:2005年6月2日〜19日
会場:Shanghai Urban Planning Exhibition Hall
http://www.britishcouncil.org

Text and Photos: Wong Joon Ian
Translation: Ayako Yamamoto

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