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「シュリンキング・チャイルドフッズ(縮こまる子供時代)」展

HAPPENINGText: Sari Uchida

性的虐待を受けた子供たちによるグループ作品。最年少の被害者は7歳だった。多くの場合、身内から被害を受け、深い精神的なダメージを負って成長する。大人になると、無抵抗だった子供時代を葬り去るためか、性的に奔放になり無意識のうちに自分が受けた虐待と同じ状況を再現したり、家出し売春で生活したりするようになる。人間不信になり、他の人間と有意義な人間関係を築くことができなくなる。

一見するとかわいらしいドールハウスの中では、人形たちがおぞましい行為に及んでいる。どれもビジュアル的にインパクトが強く、訪れた人達は、展示物の生々しさに、ショックが隠しきれない様子だった。

これまでテレビや新聞で報道されることはあっても、実際にはタブー扱いされ、具体的に見る機会がなかった「社会の見えざる部分」に日の目を当てたことが、大きな反響を呼んだ。私は計3回足を運んだが、回を重ねるごとに会場内に設置された掲示版に、「政治家連中に見せたい」「(子供がこうした環境に置かれることに)とにかく怒りを感じる」など人々のメッセージが増えていった。

「キッズ・カンパニー」ではダンスや演劇など芸術全般を通じて、子供たちの心のケアを行っている。普段の生活を送っている者には想像がつかない虐待や生活環境の中で成長した子供も、感情を自在に表現する場を与えることで、非常にクリエイティブな作品作りをする。カンパニーは、周囲の大人が役割を充分に果たさずに子供が成長した場合、それは子供たちの責任ではなく、傷つきやすい彼らを犯罪者扱いするのは不当だと主張している。

Shrinking Childhoods
会期:2004年11月18日〜2005年3月9日
時間:10:00〜18:00
会場:Tate Modern
住所:Bankside, London SE1
TEL:+44 (0)20 7887 8888
https://www.tate.org.uk/modern/

Text: Sari Uchida
Photos: Sari Uchida

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