カール・フィッシャー & フランク・ハビット

PEOPLEText: Linlee Allen

今月、世界で最もホットなショップのメッカとも言えるコレットが、2人のフォトグラファーと共に60年代へとタイムスリップする。

ギャラリースペースでは、エスクァイア・マガジン(1963-1977)の写真で有名なアメリカ人フォトグラファー、カール・フィッシャーの作品が60年代を再現し、1階スペースに展示されるフランク・ハビットの作品集「Sixties」への完璧な空間をも創りあげる。


Carl Fischer, Andy Warhol in a Soup Can, 1969

ベトナム戦争、市民権運動の拡大、フェミニズムの台頭、セックス、ドラッグ、ロックンロールで彩られた激動の60年代。そんな時代、ニューヨークの写真家カール・フィッシャーの高度な技術力と、ドイツ生まれの写真家フランク・ハビットの構図はまったく対照的なものだった。


Carl Fischer, Telly Savalas, New York, 1976

60年代のエスクァイア・マガジンにおける大多数の写真を手掛けたカール・フィッシャーは、ニューヨークのマディソン通りに位置するクリエイティブ・エージェンシーのトップ、ジョージ・ロイスとよく仕事をした。ハンドメイドでディテールをつくるという高度な技術に注目した新手法の概念化を、プロデューサーであるハロルド・ヘイズと共に進め、その結果、彼の作品は「ビジュアルの変容」と称されるようになった。


Carl Fischer, Dustin Hoffman, 1970

つまり、フィッシャーの作品はその当時にしては非常に珍しいものだったのだ。まずスタジオで通常のポートレートを撮影し、それをある背景の上に重ね、被写体の背景のディテールが残るように切り抜いていく。

キャンベルのスープ缶の中で溺れるアンディ・ウォーホルから、マンハッタンのビル群の中で、まるでガリバーのごとく佇むダスティン・ホフマンの写真に見られるように、彼の技術はとても精密だ。

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