草間彌生展 クサマトリックス

HAPPENINGText: Naoko Fukushi

少女時代の幻覚体験に触発された絵画にはじまり、60年代ニューヨーク滞在中に制作した水玉や網目が無限に増殖する絵画で注目を集めて以来、国内外で高い評価を受けてきた、現在もっとも国際的に注目される現代アーティストの一人、草間彌生。東京・森美術館で開催を終えた彼女のエキシビジョン「クサマトリックス展」が現在、「札幌芸術の森」で開催されている。

展覧会初日の6月5日(土)には、草間彌生の前衛ファッションショーが行われた。会場である「芸術の森」はその名の通り、広大な森の中に、美術館や用途別の工房などが点在している、素晴らしい自然環境のある施設。芸術の森へ入っていくと、赤と白の水玉模様の立体が、展覧会の会場となる建物の前に広がる、緑の柔らかな芝生と池に約20点が点在していた。池では風に身を任せ静かに動く様がまるで生命を持っているかのように、そこで分裂・増殖が起こっていそうなくらい自然と解け合っていた。芝生では、その周りではしゃぐ子供もいたりして微笑ましい。

そんな風景を楽しみながら待ちわびていると音楽が流れてきて、風船を手に、作品を身にまとったモデル達が行進しはじめる。まるで不思議の国へトリップしてしまったかのような光景だ。美術館の前に広がる前庭をぐるっと一周。そしてパワフルな作品からは想像できないくらい小柄な草間彌生がモデルと共に登場した。

芝生の広場へ一行は移動し、草間彌生を中心に大勢のモデルが丸く円を作る。そこで興味深い演出があり、プレスのカメラマンがその円の中に入り、堂々と手を振る彼女とモデルをパシャパシャ写真を撮るというものだ。作品の水玉模様はプリントだけではなく、中に綿をつめた立体的な丸みを持たせたものが多かった。モデルの振舞いも終始、人形のように体を左右に揺らし、周りの自然に囲まれて、森の妖精のようにも見えた。

このファッションショーは、草間彌生が監修、東京の文化服装学院に赴き確認を行いながら、学生達がドレスのデザイン、制作、当日のモデルも勤めるといった形で進められた。そして今回は系列校である札幌の文化服装学院が協力にあたったということもあってか、観客は若い人達が目立ち、草間彌生に握手を求める姿も多く見受けられた。彼女はその作品だけではなく、生き様からも若者たちから強い支持を受けているようだ。ファッションショーの最後には札幌の印象などを語り、自ら作詞作曲した「『マンハッタン自殺未遂常習犯』の歌」と「君は死して今(亡き父母に捧ぐ)」をその場で披露してくれた。

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