隈研吾「バンブー・リング:軽さとフォルムのシンフォニー」
HAPPENINGText: Saya Regalado
日本を代表する建築家の一人、隈研吾が、世界をリードするスマートデバイスメーカー・オッポ(OPPO)とのコラボレーションで、ミラノデザインウィークの期間、ミラノのコルティーレ・デイ・バーニの中庭に、「クリエイティブなつながり」をテーマにしたインスタレーション「バンブー・リング:軽さとフォルムのシンフォニー」を展示している。
© Kengo Kuma and Associates
このインスタレーションは、割竹に炭素繊維シートを貼り合わせて作られたしなやかさと剛性を兼ね備えたリング状の構造体を通して、人間と自然の調和のとれた関係を探っている。今回披露されたインスタレーションは、2019年のロンドン・デザイン・フェスティバルで発表された「バンブー・リング」の進化版で、革新的なデザインと技術力を用い、建築と音楽を融合し、時間と空間の感覚をユーザー体験として提供するものとなっている。
© Kengo Kuma and Associates
この体験型インスタレーションでは、ロンドン在住の日本人バイオリニスト・小町碧によって構成されたオーケストラスコアと世界中で採取された自然環境音の統合を通じて体験者を没入感に引き込む。体験者が空間内を歩き回ることで、変化する季節のサイクルを感じさせるサウンドスケープ体験をリラックスしながら楽しめる。
隈研吾が設計した直径約1.8mのリングは、オッポ・ロンドン・デザインセンターの研究から生まれた構造音響技術を介して楽器として機能する。革新的なテクノロジーによって、バイオリンのビブラートと打楽器の効果で竹を反響させ高低周波を生成する。
ミラノ・デザイン・ウィークの後、本作品はイタリアのトレンティーノの森の中にある環境アートの聖地とも呼ばれている屋外展示場を持つ現代美術館アルテ・セラに寄贈される予定だ。
OPPO x Kengo Kuma Bamboo Ring
Weaving a Symphony of Lightness and Form
会期:2021年9月6日(月)〜19日(日)
会場:Cortile dei Bagni courtyard
住所:3 Via Festa del Perdono, 20122 Milan
https://kkaa.co.jp
Text: Saya Regalado