ピート・ファウラー

PEOPLEText: Sachiko Kurashina

ピートが作り出すモンスターは、どこか人間味があり、子供だけではなく、キャラクター好きの大人達にも受け入れられる親しみさがあると思います。その点についてはどう思われますか?またモンスターにこだわる理由は?

ピート:私のモンスターについて小さな子供からお年寄りまで素晴らしいフィードバックをいただいたことがありますが、私には特別なオーディエンスというものがいないので、私の作品が大人にも子供にも受け入れられている、ということが聞けてとても嬉しいです。幅広い世代に私の作品を親しんでもらうことが夢です。そのためにモンスターには人間らしい要素と性格を取り入れていますし、それらのキャラクターは皆さんにも身に覚えのあるものだと思います。

キューブから販売されている、玩具プロジェクト「モンスタリズム」について教えてください。どのようなプロジェクトですか?

ピート:このプロジェクトの話は、東京のギャラリー・スピーク・フォーで行われた、私の3D作品のプレビューパーティでソニー・クリエイティブ・プロダクツのスタッフの方とお会いした時に持ち上がりました。このプロジェクトから生まれた最初のリリースは「ワールド・オブ・モンスタリズム・フィギュアズ vol.1」です。これらは2つの異なった色彩の中に7体のキャラクターが入っています。フィギュアの背後にあるアイディアは、各々が分解、解体でき、パーツを他のフィギュアのパーツと交換しながら自分だけのキャラクターを作れる、ということです。組み合わせの可能性が多い、ということになります。モンスター各々にインフォメーションカードがついており、それが持つ性格やバックグランド、場合によってはそれが好きな音楽について等ちょっとした説明がなされています!

ちょうど今、日本とイギリスで vol.1.5がリリースされたばかりです。vol.2は夏にリリースされる予定です。また、ソフトビニ-ルでできた大きめのフィギュアのリリースも近い内に迫っています。これはワールド・オブ・モンスタリズムに関係したものでもあり、このワールドに住んでいるキャラクターでもあります。私はこのプロジェクトを、私が手掛ける他のプロジェクト(コミックストリップ)が似たようなアイディアやキャラクターを中心に思案するように、私の世界を世間に紹介するひとつの方法だと思っていますし、私のクリエイティブな想像のコアな部分を形作るものだと思っています。

ファウラリズムのサイトでも、イキイキとしたモンスターを見い出すことができます。そしてこのサイトでは、玩具プロジェクト「モンスタリズム」同様、ユーザー自身がオリジナルのモンスターを作ることができるようになっていますね。このサイトについて教えていただけますか?こちらのサイトもサイモンとの合作なのですよね?

ピート:ウェブのインタラクティブな面とアニメーションに興味があるということが、私とサイモンの共通点です。そういう訳でファウラリズムネットでモンスターを作るということは、私達のコンセプトのスタート地点を見た時のようなものなのです。このサイトは、私にとってもサイモンにとっても初めてのフラッシュを使用したプロジェクトでしたし、だからこそウェブ上の他のサイトとはひと味違ったものを作りたいと思いましたし、アニメーションで作られたフォーマットでの私の作品のフィーリングを保ちたいと思いました。このサイトに対して沢山の人が興味を持ってくれました。それに伴いモンスタリズムネットを立ち上げよう、ということになったのです。このサイトでは私のアート作品、おもちゃ、サイモンとのコラボレーションによる作品をフィーチャーする予定ですし、オンラインショップでは私が制作、デザインしたグッズや製品が売り出される予定です。

アート・カプセル・トイ・プロジェクトへの参加等、最近では日本でもその活動の場を広げていますね。サタンアルバイトというブランドを立ち上げたようですが、それについて教えて下さい。

ピート:サタンアルバイトは大阪で生まれた服のブランドで、この2、3年の間、活動を共にしています。最近では支店も東京、仙台、札幌にオープンしました。私が手掛けたデザインは、主に彼等が行うプロジェクトに関するプリント、ロゴ、テキスタイルパターン、プロモーションアイテム、イラスト、ショップのペインティング等です。彼等は国際的なアーティストを招いて、ライブバンド、DJ、ライブペインティング等をフィーチャーしたイベントを大阪で行っており、時にはお客さんが2000人に及ぶこともあります。私は最近、水木しげるさんとTシャツを3枚手掛けたのですが、これはサタンアルバイトでリリースされる予定です。

タイムカプセルプロジェクトは、これもソニー・クリエイティブ・プロダクツによるプロジェクトなのですが、私の作品がジェームス・ジャービスジム・ウードリンググルーヴィジョンズ等の隣に展示されることに、このプロジェクトの興味深さを感じました。ガチャガチャの様にグッズを獲得する方法は大好きですし、自動販売機の中にある私の作品を見て感激しました。

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