マリアン・グッドマン・ロンドン
ソーホーエリアの一角にマリアン・グッドマンの新しいギャラリーがある。元はヴィクトリアン朝の繊維工場だったが、ロンドンを拠点に活動する若手建築家デイヴィッド・アジャイがリノベーションを手掛けた。
Ettore Spalletti exhibition “Evert dawn, is first / Ogni alba, è la prima”. Photo: Marian Goodman Gallery London
コンクリートの床と自然光が射し込むアーチ型の天窓は見事に新装された一方で、ギャラリー正面の砂岩や内装の柱、光沢のある扇状の窓など、残された歴史的部分はかつてと同じ優雅さを漂わせる。
Dahn Vo “Untitled”, 2015, Marian Goodman Gallery London. Photo: Jonathan Velardi
グッドマンは、彼女自身が育て、高い評価を受けている芸術家のために最適なショールームを実現した。ゲルハルト・リヒター(グッドマンのディレクションによりあっという間に出世した)、ガブリエル・オロスコ、ジョン・バルデッサリ、ジェフ・ウォールはギャラリーの歴史に名を連ねるほんの一部に過ぎない。現代美術の世界にとって、グッドマンの功績は計り知れない。
Luciano Fabro “D’Nudo (Prigione)”, 1987, Marian Goodman Gallery London. Photo: Alessandro Rabottini
イタリアの芸術家エットーレ・スパレッティによるカラフルな平面・立体作品や、南アフリカの芸術家ウィリアム・ケントリッジが自国の社会問題を憂慮した映像インスタレーションなど、白い壁が鑑賞者の目を作品に惹きつける。マリアン・グッドマン・ロンドンのラインナップは、スティーブ・マックイーン、ヨーゼフ・ボイス、アンゼルム・キーファーなど20世紀を代表する偉人達が名を連ねている。
もしあなたがポスト・アートの兆しを感じたいなら、ゴールデンスクエアのベンチを横目にたどり着くマリアン・グッドマン・ロンドンが、きっとあなたの心を満たすだろう。
Marian Goodman Gallery London
住所:5-8 Lower John Street, London W1F 9DY
開廊時間:10:00〜18:00(月曜日休廊)
TEL:+44 (0)20 7099 0088
https://www.mariangoodman.com
Text: Kate Weir
Translation: Keiko Orikasa
Photos: Courtesy of Marian Goodman Gallery London