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ヒューマンファイブ展「バニーヒル・ホットスポット」

HAPPENINGText: Aya Takada

天気がよい日のストリートは、愛車でドライブを楽しむ人やスイスイと自転車を走らせる人、らんらんらんと散歩する人たちで賑やかになる。きっとヒューマンファイブの三人も晴天のバンクーバーをスケートボードと共にそれぞれの速度と角度で駆け巡っているに違いない。

11月22日から1月6日までスケートボードショップ・アンティソーシャルのギャラリースペースでヒューマンファイブの展覧会が開催された。「バニーヒル・ホットスポット」と題されたこの展覧会では数多くのペインティングやスカルプチャーが展示された。

ヒューマンファイブは、サイモン・レデコップ、ジャレット・ぺナー、マイク・スワニーの三人からなるアートコレクティブ。スケーター、ペインター、グラフィックデザイナー、ミュージシャンとあらゆる才能をもつ彼らはバンクーバーで出会い、国際的に活動している。

ヒューマンファイブの3人が眺める風景を丁寧に描いたかのようなウォールペインティングが全体の作品を調和し、ギャラリースペースをランドスケープへと拡大していた。

サイモンによる「ファック・セイクス」は、ラテックスペイント、ペン、ファブリック、芝生、木材と13の小箱から成り立つスカルプチャー。四面に描かれているのは、虹、雲、木々建物に溢れた街。そしてこの街たちが一つの大きなシティ(スカルプチャー)を作り上げている。また所々にはみだらな言葉が書かれている。キュートでファンタスティックなだけじゃない。ナスティな言葉を実際オーディエンスが口にするとき、視覚的明るく楽しく描かれた街がシニカルなコントラスを生みだす。これもサイモンが巧みに作り上げたビジュアル、オーディオ効果だ。サイモンは実際の都市づくりに対して、表面的なものだけではなく、都市と市民の両者がリアリティに直面できるレベルになるようにという願いも込めている。

スカルプチャーに施されたフェルトドールやペインティングのディテールは、サイモン、ジャレット、マイクがそれぞれ作り上げるストーリーを丁寧に再現したものだろう。レースやフラワーなどのガーリーなものや奇妙なインターナルオーガンと彼らの創造力は幅広い。鮮やかなブルーやレインボーカラーが晴天を思わせ、オープニングナイトは笑顔に満ちた人々で溢れていた。

ショップのディスプレイウィンドウのアートもヒューマンファイブが手掛けている。

アンティソーシャルは、バンクーバーのスケーターたちのあらゆる才能をバックアップしている。路地、公園、空き地、街中を駆け巡るスケーターたちはもしかすると市長よりこの街をみているのではないだろうか。彼らの表現力がわたしたちにバンクーバーの情景を伝えてくれているのだと思う。

Humanfive “Bunny Hill: a Hot Spot”
会期:2002年11月22日〜2003年1月6日
会場:Anitisocial
住所:2425 Main Street, Vancouver
TEL:+1 604 708 5678
htt://www.humanfive.com

Text: Aya Takada

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