アルス・エレクトロニカ 2001

HAPPENINGText: Simon Scheiber

ヨーロッパで最も有名なデジタルフェスティバル、アルス・エレクトロニカ。毎年世界中からの人々が、最高の切り口による、最長・最大のメディアフェスティバル開催の1週間のためにオーストリア、リンツを訪れる。今年のフェスティバルも例年どおり、アートとテクノロジー、ビジネス、エンターテイメントが絶妙に解け合っていた。

前回のテーマ「ネクスト・セックス」のあと、次なる興味と論点は「テイク・オーバー、誰が明日のアートを作るのか?」。昨年のデジタル世界におけるセックスというテーマは、しばしば罵声を浴びるものであったが、今年の出展者は注目を欲しており、オープニングの前からもアルス・エレクトロニカ・フェスティバルは、ディスカッションの素材として多く取り上げられた。

私が初めに目にしたものは『もしこれをアートと思わない人は、この番号までお電話を』。そして、そのキャンバスが初日で全てペイントされたことに、感激した。その後、エレクトロロビーへ行ってチケットを手に入れ、ドナウにそって歩き「クラングウォルク」を聞いた。おそらく、最初の週末私が逃したのは、ビジュアル化されたクラングウォルク。それまで楽しんだ事は無かったが、クラングウォルクは、このフェスティバルの大きなパートを占めており、なぜか毎回面白く見る事ができるのだ。

しかし、それにもかかわらず、セニョール・ココナッツの本当に素晴しいコンサートが開かれた。雨がふって寒かったけれども、彼がコンサート会場のグラスピラミッドをあたため、観客は踊らずにいられなかった。エレクトロニカルなフェスティバルでルンバを聴くのは、最高だった。

フェスティバルの一方、名高いプリックス・アルス・エレクトロニカでは、オーガナイザーが把握したがるような、プロジェクトを展開する人々の様子を見る事のできるフェスティバルロケーションも良かった。しかし、そこにいた全ての素晴しいアーティストをリストアップするのは不可能だろう。

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