アルス・エレクトロニカ 2001

HAPPENING

ヨーロッパで最も有名なデジタルフェスティバルが、「アルスエレクトロニカ」。毎年世界中からの人々が、最高の切り口による、最長・最大のメディアフェスティバル開催の1週間のためにオーストリア、リンツを訪れる。今年のフェスティバルも例年どおり、アートとテクノロジー、ビジネス、エンターテイメントが絶妙に解け合っていた。


前回のテーマ「ネクスト・セックス」のあと、次なる興味と論点は「テイク・オーバー、誰が明日のアートを作るのか?」。昨年のデジタル世界におけるセックスというテーマは、しばしば罵声を浴びるものであったが、今年の出展者は注目を欲しており、オープニングの前からもアルス・エレクトロニカ・フェスティバルは、ディスカッションの素材として多く取り上げられた。

私が初めに目にしたものは「もしこれをアートと思わない人は、この番号までお電話を」。そして、そのキャンバスが初日ですべてペイントされたことに、感激した。その後、エレクトロロビーへ行ってチケットを手に入れ、ドナウにそって歩き「クラングウォルク」を聞いた。おそらく、最初の週末私が逃したのは、ビジュアル化された「クラングウォルク」。それまで楽しんだ事は無かったが、「クラングウォルク」は、このフェスティバルの大きなパートを占めており、なぜか毎回面白く見る事ができるのだ。

しかし、それにもかかわらず、セニョール・ココナッツの本当に素晴しいコンサートが開かれた。雨がふって寒かったけれども、彼がコンサート会場の「グラスピラミッド」をあたため、観客は踊らずにいられなかった。エレクトロニカルなフェスティバルでルンバを聴くのは、最高だった。

フェスティバルの一方、名高い「プリックス・アルス・エレクトロニカ」では、オーガナイザーが把握したがるような、プロジェクトを展開する人々の様子を見る事のできるフェスティバルロケーションも良かった。しかし、そこにいた全ての素晴しいアーティストをリストアップするのは不可能だろう。

今年のゴールデン・ニカは、ネット・エクセレンス部門では、プレイステーションのジョシュア・デイビスに、ネットビジョン部門では、バンジャのテムクマンが受賞した。デジタルミュージック部門の受賞者は、「マトリックス」プロジェクトの池田亮二だった。カーステン・ニコライとマルク・ペルヤンは、インタラクティブアートで受賞したラッキーガイズ。そして、フランスの「ル・プロセッッサス」というアニメーションを制作したゼビエール・デ・ルヘルミゼとフィリッペ・グラッマチコポロスも受賞を果たした。全体では、およそ62カ国から2200の作品が今年のプリックス・アルス・エレクトロニカに参加した。

今年のアルスエレクトロニカに、どういうわけかがっかりした人もいるとは思うが、私にとっては参加意義の大きなものであった。アルスエレクトロニカの問題点は、期待が高すぎるという事だろう。しかし、このフェスティバルこそが膨大な作品をフィーチャーするイベントで、このリンツより多くのコレクションをもって行うイベントは世界中どこにも無いだろう。毎年の事ながら、何も期待をせずにそこへ赴き、大きな驚きを経験するのがというのがベストだろう。しかし、将来的には新しいアイディアがそこにある事を願っている。もしそうでなければ、未来はデジタルであり得ないから。

Ars Electronica
会期:2001年9月1日〜6日
会場:Linz, Austria
http://www.aec.at

Text: Simon Scheiber from Nuiland
Photos: dja from TeamChman

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