マーティン・ヴェネスキー展

HAPPENING


Martin Venezky, Spread from Speak Magazine


98年8月にこのコラムにて紹介したサンフランシスコを拠点とするデザイナー、マーティン・ヴェネスキーのエキシビションが、サンフランシスコ・ミュージアム・オブ・モダン・アート(SF MOMA)にて10月まで開催される。

今回のエキシビションでは、アメリカ国内の最も大きなインディペンデント・フィルムフェスティバルとして有名な「SUNDANCE」において、ヴェネスキーがアートディレクションを手がけた種々のデザインや、SFMOMAの雑誌「OPEN」、ワイルドなレイアウトが楽しめる「SPEAK MAGAZINE」等、彼自身がここ数年に制作した15の作品が展示されている。


Martin Venezky, Spread from Speak Magazine

ヴェネスキーの作品を的確に楽しむ方法は2つある。1つは、最終的に印刷された「結果」を単に鑑賞する事。もう一つは、その最終結果にたどり着くまでの「プロセス」、いわば、デザインの過程に着眼を置く事だ。一般的なグラフィックデザインで軽視されがちなデザインの過程に、大きなウェイトをのせるヴェネスキーは、長時間に渡って様々な手法で実験を重ねる事によって、予期できないような新しいビジュアルランゲージを創りだしている。


Martin Venezky, Process -Visual Exploration for the Sundance Project

例えば映画祭「SUNDANCE」プロジェクトにおいて、カタログ、ポスター、スポーツウェアー等、30以上のアイテムに統一したランゲージを制作する事を依頼されたヴェネスキーは、新鮮味のないありがちなビジュアルを避けるために、映画という主題から一旦離れる事からデザインを開始した。インディペンデントフィルムがもっているような「独特な創造性」のみをコンセプトに、ドローイング、フォトグラフィー等のミディアムをベースとした実験を繰り返し、結果として彼の美的個性と主題のメッセージが共存した、複雑なレイヤーを含んだ構成を展開している。


Martin Venezky, Poster for Sundance Movie Festival 2001

一つの主題を、個人的な見解を交えて徹底的に分解を進め、最終的に主題を反映したビジュアルを再構築し、全く新しい見方を創りだすヴェネスキーのデザイン過程から学ぶものは大きい。

Martin Venezky
Selections from the Permanent Collection of Architecture & Design
会期:2001年7月20日〜10月14日
会場:SF MOMA
住所:151 Third St., San Francisco

Text: Kanya Niijima from MMSW Labs

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