レスフェスト東京 2000

HAPPENINGText: Aya Funaki

昨年遂に日本で開催されたデジタル・フィルム・フェスティバル「レスフェスト」が、今年もまたラフォーレミュージアム原宿に帰ってきた。世界のトップ・デジタル・アーティストの作品が一同に集まるフェスティバルとして5年目を迎えた今年は、世界5カ国10都市で開催され、日本を最後に今年の幕を閉じる。

今年の上映プログラムは通常上映される「フィーチャーズ」、「短編」、「長編」、ミュージック・ビデオ・クリップ対象の「シネマエロクトロニカ」、日本のクリエイターを対象としたレスフェスト東京のみのオリジナルプログラム「レズミックス」。そして今年から追加されたインターネット上で配信されるデジタル映像が対象の「ネットシネマ」。また、別会場にて行われたイギリスのTVCM、ミュージックビデオ紹介、デザイナーズ・リパブリックや、アンダーワールドのメンバー、カール・ハイドを招いてのトークショーなど、見ごたえ、聴きごたえのあるフェスティバルとなった。

昨年に続きSHIFTでは、日本で活躍するアーティストの作品をフィーチャーする「レズミックス」と、今年の新プログラム「ネットシネマ」からいつくかの作品を紹介しようと思う。

まず「レズミックス」からアニメーション作品、デビルロボッツの「トーフ親子」。3DアニメやフルCG作品が多かった中で、映像、サウンドはもの凄くシンプルな分、デビルロボッツらしい脚本の良さが際立っていた作品。彼らがストーリーやキャラクターを大事にしていることがとても良く分かる。ストーリーはトーフの親子が宇宙船(これもトーフ)から地上に着陸する際に、臆病な子供ドーフがこけて「グチャ!」と潰れる(なんせトーフですから)というもの。これが5パターンほどあり、“シンプル・イズ・ベスト”を実感できる楽しい作品だった。

ミュージックビデオ作品、電気グルーブの「Nothing Gonna Change」。フル3DCG作品の醍醐味と言えば、やはり色彩の豊かさ、リアリティだろう。この作品は完璧なフル3DCGアニメーション作品。楽曲のイメージと映像のベストマッチは、映像監督である田中秀幸と電気グルーブのピエール瀧によるユニット「プリンストンガ」によるもの。

同じくミュージックビデオ作品、宇多田ヒカルの「Fly Me To The Moom」。イラストレーター、伊藤桂司のシンプルで荒いタッチのイラストにCG、そしてスローな楽曲。企画・演出の谷田一郎氏のセンスの良さが感じられる作品。イラストとCGのコラボレーションは、どこかアナログ的で、とても新鮮に感じられた。

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