タピオ・ヴィルカラ — 世界の果て
HAPPENINGText: Alma Reyes
無節のバーチ材を何層にも重ねた積層合板に断面彫刻を施したエレガントな《リーフ・ディッシュ》(1950年代)で、ヴィルカラは曲線で構成された細身のパターンでリズム感を獲得した。この美しいデザインは第9回ミラノ・トリエンナーレで賞を獲得し、スカンジナビア・デザインの象徴となった。
タピオ・ヴィルカラ《ペーパーバッグ》1977年 Tapio Wirkkala Rut Bryk Foundation Collection / EMMA – Espoo Museum of Modern Art. © Ari Karttunen / EMMA
ギザギザのエッジを持つユニークなオブジェ《ペーパーバッグ》(1977年)は、手で自然にくしゃくしゃにしたような、リアルな磁器作品に仕上がっている。ヴィルカラは、グラファイトの塊を削り出し、金属の型を完成させることもあった。『デザイナーは指先に目を持たなければならない。幾何学的な形の動きや絶え間ない変化を感じ取るのだ』と彼は語っている。
タピオ・ヴィルカラ《WIR(電球)》1959年 Tapio Wirkkala Rut Bryk Foundation Collection / EMMA – Espoo Museum of Modern Art. © Ari Karttunen / EMMA
同じ展示室にある小さなコーナーでは、ヴィルカラの繊細な形の電球やシェード、そして青、ピンク、白の電球(1959年)などのラフスケッチ(複写)も見ることができる。
タピオ・ヴィルカラ《シェル(巻貝)》1956年 Tapio Wirkkala Rut Bryk Foundation Collection / EMMA – Espoo Museum of Modern Art. © Ari Karttunen / EMMA
1960年代、ヴィルカラは湖と木々に恵まれたフィンランドの最北地ラップランドに家を建てた。常に自然と親しむことで、彼は道具や製品に使う土着の素材を手に入れることができた。「造形の園」の章では、特に木製の、洗練されたラインが刻み込まれた様々な有機的フォルムの印象的なデザインが展示されている。見事な作品の中に《シェル(巻貝)》(1956年)がある。繊細な木目を持つ螺旋状の形が、貝のイメージに生命を与えている。ガラスの彫刻も数多く展示されている。神話をモチーフにした銅盤ガラス彫刻の手法や、当時の大量生産では難しかった抽象的なフォルムの表現など、デザイナーの卓越した技術力を感じることができる。
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