アルヴァ・アアルト〜アートと近代フォルム

HAPPENINGText: Victor Moreno

アルヴァ・アアルトは、フィンランド出身の最も重要な芸術的人物である。建築家であり、デザイナーでもあったアアルトは、フィンランド全体の都市化計画から家具のデザイン、照明、美術まで、全てを概念化してきた。アートとテクノロジーを組み合わせ、北欧において最も重要とも言えるモダニズムの運動であるアルテックの創設者である。

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Alvar Aalto in his studio, 1945. © Alvar Aalto Foundation. Photo: Eino Mäkinen / Alvar Aalto Museum

フィンランドの国立ギャラリーの一つであるヘルシンキのアテネウム美術館は、現在「アルヴァ・アアルト〜アートと近代フォルム(Alvar Aalto – Art and the Modern Form)」を開催している。この展覧会は、アアルト自信の作品だけではなく、アメリカ人のアレクサンダー・カルダー、フランス出身のフェルナン・レジェやポール・ゴーギャン、スペイン人のパブロ・ピカソ、ドイツ及びフランス出身のハンス・アルプ、ハンガリー人のラースロー・モホリ=ナギ等、彼のアートコレクティブの代表的なメンバーも含まれているため、これまでのアルヴァ・アアルトに関する最も大きい回顧展である。ヴィトラ・デザイン・ミュージアムのヨヘン・アイゼンブランドにより監督されている本展覧会は、1920年代から1970年代のアアルトの作品に重点を置き、上記の時代を象徴する芸術家と影響しあった彼の有機的なデザイン言語を展示している。

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Photo: Victor Moreno

アアルトは、1923年に最初の建築事務所をフィンランドに開いた。その1年後に結婚し、新婚旅行を過ごしたイタリアで見たルネッサンス建築や古典主義に響源された。1930年代、特に当時のドイツ、元ソ連、北欧の地域では、機能主義が主流であった。

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Paimio sanatorium, Paimio, Finland, Alvar Aalto, 1928-1933. © Alvar Aalto Foundation. Photo: Gustaf Welin / Alvar Aalto Museum

1935年、アアルトと妻のアイノ・アアルトが、マイレ・グリクセンとニルス・グスタフ・ハールと一緒にデザイン事務所のARTEKを設立したとき、彼らの目標は大胆で野心的であった。彼らは、近代美術、産業デザイン、インテリア装飾や「プロパガンダ」或いは出版物を統合したものを創作することであった。

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