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マーク・レッキー個展「FIORUCCI MADE ME HARDCORE FEAT. BIG RED SOUNDSYSTEM」

HAPPENINGText: Victor Moreno

イギリス出身のアーティスト、マーク・レッキーによる個展「Fiorucci Made Me Hardcore feat. Big Red SoundSystem」が、エスパス ルイ・ヴィトン東京で8月18日まで開催されている。世界各都市のエスパス ルイ・ヴィトンにてフォンダシオン ルイ・ヴィトンの所蔵コレクションを紹介する「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラムの一環として開催される本展では、マーク・レッキーの代表作2点が展示されている。


Courtesy of the artist and Fondation Louis Vuitton, Paris Photo: © Jérémie Souteyrat / Louis Vuitton

マーク・レッキーは、ダミアン・ハースト、トレイシー・エミン、サラ・ルーカスらと共に、1980年代末のイギリス、ロンドンで頭角を現した「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト」の世代に属するアーティスト。2008年にビデオアート作品《インダストリアル・ライト・アンド・マジック》でターナー賞を受賞し、彼の作品はテート・モダンをはじめ、ニューヨークのMoMAやグッゲンハイム美術館、パリのポンピドゥー・センターなどで国際的に展示されるようになった。『私はフェティシストで、モノを偏愛し、強く惹き付けられて、執着して、どうにかしてそれらを所有しなければと思っています。なぜならそのモノたちが、私を所有しているように感じるから。それに対してある種の応答をしたいのです』とレッキーは語っている。


Courtesy of the artist and Fondation Louis Vuitton, Paris Photo: © Jérémie Souteyrat / Louis Vuitton

レッキーは、大衆文化とそのDIY的アプローチに関心を持っていた。自ら音楽バンドを組み、1970年代から1990年代にかけてのイギリスのサブカルチャー史と共に歩んできたレッキーは、当時のレイヴシーンを芸術表現と捉え、1999年にビデオアート作品《Fiorucci Made Me Hardcore》を発表。本展では、巨大なスピーカーの壁を立ち上げる作品《SoundSystems》(2001-2003年)と組み合わせ、オリジナル作品の10周年記念特別リマスター版として、《Fiorucci Made Me Hardcore with SoundSystem》(1999-2003-2010年)を展示している。


Courtesy of the artist and Fondation Louis Vuitton, Paris Photo: © Jérémie Souteyrat / Louis Vuitton

自身を取巻く文化的、物質的環境は、レッキーにとって重要なトピックだ。新しいテクノロジーと情報アクセスの変革は、彼のいくつかの作品にインスピレーションを与えている。彼のパフォーマンス作品《ロングテール》(2009年)は、2004年にイギリス系アメリカ人の作家クリス・アンダーソンが提唱した概念から生まれたもので、インターネットが可能にする広範囲への流通により、ニッチな消費行動も利益の源泉になり得ると主張する理論に基づいて制作された。同様に、レッキーは人間が身の回りの消費物と共存することに魅了され、工業製品とのコミュニケーションをもとにしたアニミズム的実践という、拡張された彫刻の概念を提案している。

マーク・レッキー個展「Fiorucci Made Me Hardcore Feat. Big Red SoundSystem」
会期:2024年2月22日(木)〜8月18日(日)
時間:12:00〜20:00
会場:Espace Louis Vuitton Tokyo
住所:東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道店 7F
TEL:03-5766-1094
https://espacelouisvuittontokyo.com

Text: Victor Moreno
Translation: Saya Regalado
Photos: Jérémie Souteyrat / Louis Vuitton. Courtesy of the artist and Fondation Louis Vuitton, Paris

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