山海塾「遥か彼方からの―ひびき」

HAPPENINGText: Anthony Augendre

1975年に結成された山海塾が日本で脚光を浴びているとしても、舞踏はフランスのオーディエンスにとっては未だ得体の知れないものだ。また得体の知れないものというのは魅力的で、完全な成功を遂げることもある。

彼等のパフォーマンスを見たいを思ってもチケットはなかなか手に入らない。パリでの山海塾のチケットはいつも売り切れだ。山海塾のブレインである天児牛大は今年、私達にプレセントをくれた。

山海塾
© Sankai Juku

パリ市立劇場で初めての公演となる新しい舞台「遥か彼方からの―ひびき」の初演で、驚くことべきことは、1988年の作品「闇に沈む静寂―しじま」の再演であった。「ひびき」はひそかにずっと構想を練られていたもので、それについて語る人は誰もいなかった。

そのステージについてはあえてここでは言わないことにする。なぜならそれがとても素晴らしいものだから。組織化されたゆっくりとしたダンスは、組織的な場面構成を展開する。それは素晴らしく、感動的で不合理とも言える。そして観客を泣かせる。

山海塾「遥か彼方からの―ひびき」
初演:1998年12月
会場:Theatre de la Ville, Paris
住所:2 Place du Châtelet, 75004 Paris
TEL:+33 (0)1 4887 5950
https://www.theatredelaville-paris.com

Text: Anthony Augendre
Translation: Mayumi Kaneko

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ステファン・マークス
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